新型コロナウイルスに感染したことを隠して高速バスに乗った山梨県の20代女性に対して「コロナをまき散らしている」などとインターネット上で批判が集中し、実名や顔写真とされる真偽不明の情報が公開される事態に発展した。

 事件や災害が起きるたびにこうしたネット上での行き過ぎた誹謗中傷は繰り返されており、昨年には、あおり運転事件の共犯者と名指しされた無関係の女性が同様の被害を受けた。

 コロナ禍で外出自粛や休業・休校が続き、不安やストレスのはけ口として、いわゆる「ネット私刑」を容認する空気が蔓延(まんえん)しかねず、専門家は警鐘を鳴らす。(大渡美咲)

■個人情報さらし
■法的なリスク
名誉毀損、偽計業務妨害や業務妨害罪に該当する可能性
■拡散するデマ
サイバー捜査の高度化により最近はネット上の「匿名の加害者」が特定され、摘発されるケースは珍しくなくない。

情報解析会社スペクティの村上建治郎社長によると、デマ情報は大きく分けて、

(1)騒いで世間からの注目を浴びたい「オオカミ少年型」
(2)外国人や特定の人をおとしめる「ヘイト型」
(3)聞いたり見たりした情報を勘違いして広まる「勘違い型」
(4)情報の広まりとともに尾ひれがついて話が変わる「伝言ゲーム型」

の4つに分類される。