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【ニューヨーク時事】
 トランプ米大統領は21日、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への新たな制裁を定めた大統領令を出した。
 北朝鮮の幅広い業種に関与する個人・団体を制裁対象に指定できるようにするほか、北朝鮮と取引する外国金融機関を米金融システムから排除。
 北朝鮮に立ち寄った航空機や船舶の米入国も禁じ、物流と資金面から北朝鮮の経済封鎖を目指す強力な内容だ。

 同日開かれた日米韓3カ国首脳会談の冒頭、トランプ氏は「新たな大統領令によって、北朝鮮が最も殺傷力のある兵器を開発するための資金源を断ち切る」と宣言。
 各国に国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議を履行するとともに、独自の制裁措置を科すよう求めた。

 大統領令は、過去180日以内に北朝鮮に立ち寄った航空機や船舶について、米入国を禁止。

 北朝鮮の建設、エネルギー、金融、水産、IT、繊維など幅広い産業を対象に、関与した団体・個人を制裁対象に指定し、米国内の資産凍結などを科す権限を財務省に与えた。
 主に中国やロシアなど第三国の企業を標的に想定したとみられる。

 また、北朝鮮と取引する外国金融機関を米国の金融システムから締め出す。
 トランプ氏は「米国とビジネスをするか、北朝鮮の無法な体制の貿易を手助けするか、外国銀行は選択に直面することになる」と述べた。 

 トランプ氏は一方、中国人民銀行(中央銀行)が自国内の銀行に北朝鮮との取引を即時停止するよう命じたことに言及。「非常に思い切った行動を示した習近平(中国)国家主席に感謝する」と語った。

m ムニューシン財務長官は記者会見で、中国人民銀行の周小川総裁と「協力の在り方について、とても生産的な話をした」と述べ、中国側に制裁に関し説明したことを示唆した。

 ただ、大統領令で想定する制裁対象に関しては「(北朝鮮に関与する)すべてだ。特別に中国を狙ったわけではない」と説明した。

 ◇北朝鮮制裁に関する米大統領令のポイント

 一、北朝鮮による挑発的な行動と政策が、米国の国家安全保障、外交政策、経済に対する継続的な脅威だと認識
 一、北朝鮮が大量破壊兵器計画の前進に充てる資金を獲得・利用・移転するあらゆる手段が標的

 一、過去180日以内に北朝鮮を訪れた航空機や船舶の米入国を禁止。180日以内に北朝鮮を訪れた船舶から直接、積み荷等を移転された船舶も対象

 一、北朝鮮の建設・エネルギー・金融・水産・IT・製造・医薬・鉱山・繊維産業に関与する個人と団体、北朝鮮とのモノ・サービス・技術の輸出入に携わった個人と団体を制裁。対象は国務長官と協議の上、財務長官が指定

 一、北朝鮮制裁対象の個人・団体との取引や、北朝鮮との貿易に関連した取引について、それと認識した上で行った外国銀行を米金融システムから排除
時事ドットコム(2017/09/22)

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大統領令
 行政府の長である大統領が連邦政府機関(軍を含む)に対して発する命令。
 大統領令を出す権限の根拠は合衆国憲法第2章第1条の「執行権」にある。
 議会の承認を必要とせず、議会が成立させる法律とほぼ同等の効力を持つ。

例)「奴隷解放宣言」「人種差別阻止」「9.11後、テロ組織の資産凍結」など