今、尖閣諸島に、300をはるかに超える中国船が押し寄せています。一体、何を狙っているのでしょうか。

1c

◆南シナ海の失敗=「九段線」中国の権益認めず 仲裁裁判所
 →オランダ・ハーグの仲裁裁判所が、フィリピンの主張を認め「資源について中国が主張する歴史的権利には法的根拠はない」とする判決を下した(7月12日)

     *

 集結した漁船は300隻。
 その周りには、中国の巡視船が、十数隻航行していたという。
 中国の漁船と公船がセットで、日本の領海に侵入するのは初めてのこと。
 9日、岸田外相は、外務省に、程永華駐日中国大使を呼び、強く抗議した。
 新しい局面に突入した、尖閣の海。
 中国が動きだした背景には、何があるのか。

 東海大学の山田吉彦教授は、南シナ海で丸つぶれとなったメンツを取り戻すための「陽道作戦」だと指摘する。
 山田教授は「南シナ海の失敗を目立たなくし、かつ積極的に海洋進出しているんだと、最も効果があることが、尖閣諸島周辺海域の獲得に乗り出すこと」と話した。

 日本をはじめとした国際社会は、伊勢志摩サミットなどで、中国をけん制。

 岸田外相は5月、「南シナ海問題は、国際社会共通の懸念であり、中国を含む関係国が、(首脳宣言を)真摯(しんし)に受け止めることを期待している」と述べていた。

 そして7月12日、南シナ海で領有権をめぐり、フィリピンが中国を訴えていた仲裁手続きで、オランダ・ハーグにある仲裁裁判所は、中国の領有権主張には法的根拠はないとする判断を下した。

 東シナ海での今回の行動は、南シナ海で追い込まれた中国が仕掛けた、目くらましだという。
 山田教授は「海洋強国になる動きを続けるためには、東シナ海、そして、日本に対して攻勢をかけていくことが、最も有効」と話した。

 一方で、中国事情にくわしい、拓殖大学の澁谷 司教授は、中国国内の政治力学が、大きく影響していると見る。
 澁谷教授は「外に敵を作れば、中も国内も、党内も引き締まると、習近平国家主席は思っているのではないか」と話した。

 現在、共産党長老と、現役指導部らが参加する重要会合「北戴河会議※①」が開催中とみられているが、激しい権力闘争が繰り広げられるこの場で、習近平国家主席が、長老たちからの批判を封じる狙いがあると指摘している。

 澁谷教授は「日本というターゲットが一番、敵として最適。日本を敵役にすることで、自らの政権の安定化を狙っている」と話した。

 陽道作戦、そして、政権安定を狙った日本への挑発行為。
 複雑な力学が、尖閣の海に微妙な影を落としつつある。
フジTV系(FNN)


※①北戴河会議とは-
 中国共産党の指導者や長老ら が毎年夏、河北省の海辺の避暑地、北戴河に集まって開く非公式の会議。