下村博文

 ◇「将来的にも自民党に戻ることは認めない」

 自民党の下村博文幹事長代行は20日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、23日告示の東京都議選(7月2日投開票)について「ひとことでいえば脱小池劇場だ」と述べ、小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」への対決姿勢を明言した。

 下村氏は「スキャンダルや、ワイドショーが喜ぶようなテーマでなく、地に足のついた政策論争ができる都議選にしたい」と語り、小池氏が得意とする“空中戦”を牽制(けんせい)。
 都民ファーストの会の立候補予定者を「政党を移ったり、半分以上が政治経験がない素人だ。小池氏の完全なイエスマンだ」とも批判した。

 報道各社による安倍晋三内閣の支持率低下を受け、自民党内で都議選への危機感が高まっている。
 下村氏は通常国会会期末の国会運営や学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画問題などが影響したとの認識を明らかにし「都議選に残念ながらマイナス影響になる。都議選はその後の国政選挙に必ず影響する。国会議員は丁寧に説明する必要がある。都議選をしっかり戦い国政にプラスになるような結果にしたい」と強調した。

 下村氏はまた、小池氏が提出した自民党離党届の扱いに触れ「小池さんには1のことを10のように発信する力がある。都議選にマイナスにならないように対処したい」と警戒、都議選後に判断する姿勢を改めて示した。

 小池氏が将来的に首相を目指すとの憶測が消えないが、「自民党に戻ることは認めない。自民党以外でなれるかもしれないが、自民党から首相になる可能性は小池さんは自ら切ったし、受け入れるつもりはない。そもそも過大評価だ」と切り捨てた。
産経新聞 2017.6.20