■徳島県教育委員会
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委員(委員長職務代理者) 西 泰宏
・委員 田村 典子
・委員 坂口 裕昭
・委員 三牧 千鶴子
・委員 佐野 義行


徳島新聞
 教科書会社が検定中の教科書を教員に見せて意見を聞き、謝礼を渡していた事例が次々と明らかになっている。
 教科書採択は公正に行われているのか、疑念を抱かせる由々しき事態である。
 児童生徒が毎日使う教科書には、高い信頼性が求められている。それを損ねた教科書会社は、厳しく反省しなければならない。

 同様のケースは他にもあるのではないかとの疑いも湧く。
 文部科学省は全容解明を急ぎ、再発防止に努めてもらいたい。
 最初に問題が発覚した三省堂は2009年から14年にかけて計7回、「編集会議」を開催。検定中の小中学校の教科書を26都府県の公立小学校長ら53人に見せ、意見を聞いていた。

 謝礼として全員に現金5万円を渡し、うち21人が、その後に自治体で教科書採択に関与したことが分かっている。

 数研出版も14年度に、中学校教科書を複数の教員に見せ、うち1人に数千円分の図書カードを渡した。

 さらに、業界最大手の東京書籍でも発覚。10年に開いた「拡大編集会議」で、中学校教科書を約30人の教員に見せて意見を聞き、現金1万円を支払っていた。交通費や宿泊費も負担したという。

 検定中の教科書を外部に見せることは、検定規則の実施細則で禁じられている。検定や採択を外部の干渉がない環境で行い、透明性や公平性を確保するためだ。

 出版社などでつくる教科書協会も、過度な宣伝や、教科書採択関係者への金銭・物品の提供などを自主ルールで禁じている。
 これらの規則やルールに照らすまでもなく、3社の行為が問題なのは明白だ。
 公立小中学校で使う教科書は、市区町村の教育委員会が校長や教員、保護者などでつくる審議会の調査、助言を受けて採択する。
 三省堂などは「教科書採択を勧誘する行為は一切行っていない」と弁明しているが、謝礼に下心が全くなかったとは言い切れまい。

 文科省は各教科書会社に自己点検を要請し、20日までに回答するよう求めた。その際、虚偽の報告があった場合、発行者の指定取り消しを含めた厳しい対応をするとしているのは、当然である。
 うみを出し切らなければ、業界の信頼回復はできない。
 問題の背景には、少子化で市場が縮小し、競争が激しくなっているという事情がある。4年に1度の採択が拍車を掛けていると指摘する関係者もいる。

 教科書は内容の優劣によって選定されるべきであり、行き過ぎた営業は、公正な競争を妨げる恐れがある。
 ただ、内容をより良くするために、現場の教員の意見や要望を聞くことには意義があろう。再発を防ぐためにも、文科省や業界は、透明性のある意見交換の在り方を検討してもらいたい。