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[対艦弾道ミサイル「KN17」]

 ◇「空母キラー」ミサイル開発加速=実戦配備へ連続発射か

 【ソウル時事】
 北朝鮮が29日発射したミサイルは、対艦用の準中距離弾道ミサイル(射程1000~3000キロ)「KN17」と推定されている。

 米軍が原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣し、軍事的圧力を強める中、北朝鮮は空母に対抗するため、「空母キラー」の実戦配備に向けて開発を急いでいるとみられる。

 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)などによると、KN17は米軍が最近付けたコードネームで、スカッドまたはノドンを対艦用として活用できるようにしたミサイル。
 今月15日、故金日成主席生誕105周年を祝う軍事パレードで初めて公開されたとみられている。

 ◇日本が射程のノドンの核の小型化は成功済み 「すでに量産段階」の見方も

 円すい形の先端部分(ノーズコーン)に翼(フォワードフィン)が付いているのが特徴だ。艦船など動く標的に着弾させるため、ミサイルが落下する最終段階(ターミナルフェーズ)での誘導性、機動性を向上させる目的で改造されたもようだ。

 米韓メディアによれば、北朝鮮が5日と16日に発射を試みたミサイルもKN17だった可能性がある。
 この2回の発射に関し北朝鮮国営メディアは「成功」と報じておらず、失敗に終わったとみられている。
 29日の発射を含め3回連続して失敗したとすれば、まだ開発途上にあることを示したことになり、実戦配備には時間がかかりそうだ。 
時事通信4/29(土) 


keika

  北朝鮮が29日午前5時半ごろ、西部の平安南道北倉(ピョンアンナムドプクチャン)付近から北東方向に弾道ミサイル1発を発射したものの、失敗したとみられると韓国軍合同参謀本部が発表した。
 ミサイルは数分間飛行して北朝鮮内に落下。最大高度は71キロで、空中で爆発したとの見方もある。

 ミサイルの種類や性能などははっきり確認されておらず、米韓などが分析している。
 米CNNなどは、空母など艦艇を狙う新型の対艦弾道ミサイル「KN17」と推定されると伝えた。

 15日の北朝鮮の軍事パレードの際もKN17とみられる機体が披露された。朝鮮半島近海に入った米原子力空母カールビンソン率いる空母打撃群を牽制し、米国の圧力に屈しないという意志を示した可能性もある。発射は、国連安全保障理事会が北朝鮮情勢について閣僚級会合を開いた直後だった。

 菅義偉官房長官は29日の記者会見で「発射された弾道ミサイルは、(発射場所から)約50キロ離れた北朝鮮内陸部に落下したと推察される」と述べた。

 弾道ミサイルに関し、米太平洋軍は「北朝鮮領域を出ていない」と分析。
 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)も「北朝鮮から発射されたミサイルは北米の脅威にはならない」との声明を出した。
朝日新聞デジタル 4/29(土)