※豪の次期潜水艦建造計画――200億豪ドル規模とされる日豪共同プロジェクトの行方に暗雲か。
 日本政府は、オーストラリアが進める次期潜水艦共同開発計画(豪・南部アデレード)で受注を目指しているが、 親日的だったアボット前首相(57)の突然の失脚やオーストラリア北部の準州政府が要衝ダーウィン港を中国系企業に長期貸与(99年間)したこと、中露のスパイが 潜水艦を狙ってさかんにサイバー攻撃を仕掛けていることなどから、日豪共同開発プロジェクトの雲行きが怪しくなってきている。

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 【シドニー時事】
オーストラリア北部準州(ノーザンテリトリー)政府が北部の要衝ダーウィン港を中国企業に長期貸与したことが、波紋を広げている。
 同港周辺は軍事拠点もあるため、安全保障上のリスクを懸念する声が上がっている。

 北部準州政府は10月、中国の嵐橋集団に約5億豪ドル(約440億円)でダーウィン港を99年間リースする契約に調印した。中国の豊富な資金力を活用し、港湾施設の刷新を促す狙いがある。

 これに対して、有力シンクタンクの豪戦略政策研究所が、嵐橋は「中国共産党のフロント企業」で、人民解放軍と密接な関係があると指摘し、リスクが浮上した。

 豪紙によると、オバマ米大統領も17日、フィリピンで会談したターンブル豪首相に、港湾貸与について懸念を伝えたもようだ。米海兵隊もダーウィンに巡回駐留している。

 モリソン財務相は19日、「港湾貸与は連邦政府の判断でない」と説明。地方政府の管轄事項であっても、
安保リスクを伴う問題は連邦政府が事前に審査できるよう制度改正を目指す可能性を示唆した。
時事ドットコム(2015/11/19-18:37)

※ターンブル豪首相(60)――中国を「抗日戦の同盟者」と公言する親中派で、中国共産党員とは親戚関係にある。
china →ターンブル氏の息子が中国共産党幹部の娘(右)と結婚


※アデレード
 オーストラリアの軍事産業と造船業の中心地。
 南オーストラリア州の製造業労働組合は、高失業率(8.2%)解消のためにも潜水艦の現地建造、現地雇用を最低条件とする”公約”厳守を主張。