※男児は起伏の少ない林道の極力広い道を直感的に選択して進み、その結果、演習場に辿りついたと思われます。(最下部の等高線付き地形図参照)

 体重が約10%減っているところから、発見がもう少し遅かったら危険な状態になっていた可能性もありますが、いろいろな好条件が重なっていたことに加えて、片道40分の徒歩通学で培われた体力、知力(機転)が奇跡的な生還に繋がったのでしょう。

 きっと誰かが助けにきてくれる、両親も探していてくれているはずと信じ、強い気持ちで待ち続けた幼い男の子に対し、邪推してあれこれ言いたがる人もいるようですが、筆者は今回の結果を素直に喜びたいと思います。


スポニチ
■北海道鹿部町で6日ぶりに保護された北斗市の小2男児(7)は、父親から置き去りにされた際、泣きじゃくって方向感覚を失い、父親の車を追いかけるつもりが反対の山側に進んでしまったと説明していることが5日分かった。

 入院先で面会した父親や関係者には、陸上自衛隊駒ケ岳演習場(鹿部町)内の施設で保護されるまで「誰かが必ず助けに来てくれる」と考え、水だけを飲んで待ち続けていたと話したという。

 一方、道警は5日、男児が保護された3日に、両親を函館児童相談所に通告したと明らかにした。児相は両親や男児から話を聴き、対応を判断する。

 道警は「児童虐待防止法で、虐待の疑いがあれば必ず通告することになっている。今回は林道に置き去りにした行為が心理的虐待に当たる疑いがあると判断した」と説明している。

 父親らによると、男児は5月28日夕、七飯町の林道で車から降ろされて置き去りにされた後、泣きじゃくったため方向が分からなくなり、山を下る父親の車を追いかけたつもりが、反対側の山を登る道を進んだ。

「山が怖い」と感じた男児は山林の中には入らず、林道を歩き続け、演習場内の自衛隊員が寝泊まりする施設にたどり着いた。鍵が開いており「寒かったので、寝るために入った」という。

 「誰かが必ず助けに来てくれる」。行方不明になった自分を両親らが捜しているに違いないとの思いから、施設の中で待ち続け、6月3日朝に保護されるまで「誰にも会わず1人きり」だった。

 施設には石油ストーブがあったが、発電機を持ち込んで接続しないと動かない仕組みで「スイッチを入れたけれど動かなかった」。
 施設の脇にある水道で水を飲むだけで、6日間何も食べず、22キロだった体重は保護された時、約2キロ減っていたという。


は遺棄された場所、青は発見場所=陸自・駒ケ岳演習場の小屋
toukousen
[国土地理院の地形図参照]