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【写真6枚】ゴッホ未発表作とされるスケッチを集めた画集

【AFP=時事】
 19世紀の画家ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)の「失われた」スケッチブックとされる作品の真贋(しんがん)性をめぐる論争が17日、新たな局面を迎えた。
 作品を本物と考える専門家らが、贋作と一蹴しているオランダ・アムステルダム(Amsterdam)のゴッホ美術館(Van Gogh Museum)に対し、公開討論を要求した。

 専門家らは、美術館側の鑑定内容に逐一反論した上、同館がゴッホ作品の真贋を判断する「独占権」を振りかざしていると批判。
 一方の美術館側も主張を曲げず、AFPの取材に対し、公開討論には自信をもって臨むが、その前に「われわれが提示した質問に対する明確な回答がほしい」と要求している。

 本物と主張する側の中心的人物であるカナダ人美術史家のボゴミラ・ウェルシュオフチャロフ(Bogomila Welsh-Ovcharov)氏は、スケッチを偽物と疑う美術館側に強く反発。実物10点を見せたにもかかわらず、それを十分に吟味することなく、スケッチの写真に基づいて判断を下したとして、美術館を非難している。

 また、このスケッチブックについて先に「ゴッホ作品の全歴史で見ても最も革命的な発見」だと評価していた英学者のロナルド・ピックバンス(Ronald Pickvance)氏(85)も、「1点目から65点目まで、全部間違いない。それ以外に言い足すことはない」として、偽物である可能性を改めて否定した。

 一連のスケッチは、ゴッホが耳を切り落とした場所として知られる南仏アルル(Arles)で、滞在先だった有名な「カフェ・ド・ラ・ガール(Cafe de la Gare)」の帳簿に描いたものとされる。

 ウェルシュオフチャロフ氏によると、カフェからは小さな日誌も見つかり、そこには耳の治療に当たったフェリクス・レー(Felix Rey)医師が「1890年5月20日、ゴッホの代理で来店」し、大型のスケッチブックを残して行ったという記録が残されていたという。【翻訳編集】 AFPBB News


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ゴッホ「未発表作」出版へ=日仏で「贋作」の指摘も

【パリ時事】
 19世紀の画家ゴッホ(1853~90)が、フランス南部アルルに滞在中の1888~90年に描いたとされる未発表のデッサン65点を収めた画集が17日、フランスや日本などで発売される。
 出版元のスイユ社が15日、仏メディアに明らかにした。

 ただ、オランダのゴッホ美術館は、これらの作品について「精密に検証した結果、贋作(がんさく)だと判断した」と主張している。
 出版に携わった関係者は「科学的な調査で、本物と確認している」と反論。専門家の間でも、真贋(しんがん)をめぐり見解が分かれている。

 スイユ社によれば、デッサンはゴッホが滞在先のホテルの会計帳にインクで描いたもので、現地の風景や親交があった画家ゴーギャンの肖像などの絵が含まれている。会計帳は、アルルのカフェの書庫から発見されたという。 


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※あくまでも個人的な感想ですが、ゴッホが好きで実物や画集などで200点以上観ている筆者が観て、ひと目で偽物と感じました。