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 マレーシアの警察のハリド長官は、10日、記者会見で、先月13日にクアラルンプール国際空港で猛毒のVXを使って殺害された男性が、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏であることを最終的に確認したと明らかにしました。 
 
 マレーシアの警察は、遺体の身元の最終的な確認を行うためには、親族から提供を受けたDNAサンプルが必要だとしていましたが、会見では、どのような確認作業を行ったのかについては明らかにしませんでした。 

  マレーシアの警察は、これまで遺体の身元の最終的な確認を行うためには、親族から提供を受けたDNAサンプルが必要だとしていました。

ハリド長官 これについて、ハリド長官は、「証人の安全を守るためどのように確認したのか言うことはできない」と述べ、具体的な確認の方法について、説明を避けました。

 遺体について北朝鮮大使館は無条件の引き渡しを求めていますが、マレーシアの警察は、親族に引き渡すという方針を繰り返し強調していました。

 しかし、ハリド長官は10日の会見でこれまでのところ、遺体を引き取るため、名乗り出た親族はおらず、保健省に遺体を移すとしています。

 ◇ベトナム人とインドネシア人の女2人が実行犯として殺人の罪で起訴
 ◇北朝鮮に対し、首謀者である北朝鮮国籍の容疑者4人の身柄の引き渡しを要求
 
 この事件では、ベトナム人とインドネシア人の女2人が実行犯として殺人の罪で起訴され、マレーシア警察は、犯行を主導したと見ている北朝鮮国籍の容疑者4人の身柄の引き渡しを北朝鮮側に求めています。

 ◇ヒョン・グァンソン2等書記官ら3人は大使館に籠ったまま
 
 また、警察は、事情聴取をしたいとしている北朝鮮大使館のヒョン・グァンソン2等書記官など3人がクアラルンプールにある北朝鮮大使館の中にいると見て協力を求めていますが、北朝鮮側は応じる姿勢を示していません。
3月10日 
 
 北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件をめぐり、北朝鮮から出国できなくなっていたマレーシア人11人のうち、国連職員の2人が、9日、出国を許可されました。マレーシア政府は10日の閣議で、残る9人の出国を実現させるための対応について協議することにしています。
 
 キム・ジョンナム氏が殺害された事件をめぐり、北朝鮮は、事件が公正に解決されるまでの間、国内に滞在するマレーシア人の出国を一時的に認めないとする措置を発表し、マレーシア政府も、対抗措置として国内に滞在する北朝鮮国民の出国を禁止しています。

 9日になって、北朝鮮に滞在していたマレーシア人11人のうち、国連のWFP=世界食糧計画に勤める2人は北朝鮮から出国しました。
 ただ、出国が認められた理由は明らかにされておらず、マレーシア政府は10日の閣議で、残る9人の出国を実現させるための対応について協議することにしています。
 9人はいずれも大使館の職員とその家族だということです。

 マレーシア政府は、北朝鮮との対話を通じて事態の打開を図りたいとしていますが、10日の閣議では北朝鮮との貿易など経済関係の見直しについても協議される見通しで、事件をめぐり両国の対立が続く中、マレーシア側がどこまで踏み込んだ対応をとるのか注目されます。
経済関係の見直しについても協議へ
 
 事件をめぐってマレーシアと北朝鮮の対立が続く中、マレーシア政府は10日の閣議で、北朝鮮との貿易など経済関係の見直しについても協議される見通しです。

 マレーシア政府によりますと、去年1年間のマレーシアと北朝鮮との貿易総額は、日本円でおよそ4億6000万円だったということです。

 北朝鮮への食料品などの輸出を手がける貿易会社の経営者によりますと、数少ない友好国のマレーシアに対しては、北朝鮮側から食用に使うパーム油の高い需要があるということです。

 ただ、事件を受けて輸出が難しくなっているということで、この経営者は「沈静化を待つのか取引を諦めるのか、深刻に考えています」と話し、マレーシア政府が北朝鮮との貿易を制限すれば、影響はさらに広がるのではないかとしています。 
NHK News web