産地偽装

 タイ産「夕張日本メロン」やオーストラリア産「神戸ビーフ」など、海外で日本の地理的表示(GI)の不正使用が相次いでいることが農水省の調査で分かった。模倣品が横行すれば、本物の輸出の妨げになる。

 同省は不正使用の防止に向け、現地での取り締まりが可能となるよう、外国政府とのGIの相互保護の実現を急ぐ。
  GI不正使用の調査は今回が初。
 昨年9~11月、GIに登録・公示された14産品を対象に、世界の主要なショッピングサイトを調べた。

 タイ産「夕張日本メロン」やオーストラリア産「神戸ビーフ」の他にも、中国産「日本静岡夕張メロン」や同国産「八女抹茶」などが販売されているのが見つかった。

  このうちタイ産「夕張日本メロン」は、日本の産地がタイの業者に名称を使わないよう警告し、業者が使用を止めた。業者は日本から苗を輸入したと主張していたが、裏付けがなく、商品をタイ国内で広く流通させてインドにも輸出していた。

  GI以外にも香港産「北海道うどん」、台湾産「信州の味 味噌(みそ)」などの模倣品が見つかった。調査したコンサルティング会社マークアイによると、「香港や台湾は包装の質が高く、正規品と見分けがつきにくい」。
 日本で生産されたかのような表示の商品も出回るなど手法は巧妙化している。
 ベトナムやフィリピンなど東南アジアでも不正事例が出てきているという。

 日本の産地は対策として、中国などへ商標登録出願を行っているが、「なかなか登録されない」(銘柄牛の産地)と苦慮する。
 一方、GIは日本では28産品が登録されており、日本が外国政府と協定を結べば海外でもGIが保護されることになる。
 日本農業新聞


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