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 平成26年2月の東京都知事選に出馬し落選した元航空幕僚長、田母神(たもがみ)俊雄氏(67)らが政治資金の一部を私的に流用した疑いがあるとして、東京地検特捜部は7日、業務上横領容疑で東京都千代田区にある田母神氏の資金管理団体の事務所など関係先を家宅捜索した。
 特捜部は押収資料を分析し、資金の流れなど実態解明を進める。

 関係者によると、田母神氏が代表を務める資金管理団体「田母神としおの会」には都知事選後に約6千万円の残金があったが、26年12月の衆院選前には約1千万円に減少。
 田母神氏は昨年2月(19日)に会見し、調査の結果、会計責任者だった50代男性(鈴木新被告(58))が横領を認めたと発表した。この男性は高級クラブでの遊興費や生活費などに充てていたという。

 田母神氏は同3月、寄付などで集まった資金のうち約3千万円を遊興費などに流用していたとして、この男性を業務上横領罪で警視庁に告訴していた。
産経ニュース(1)

 その後、同12月、都知事選で田母神氏陣営の選対本部長を務めたテレビ番組制作・衛星放送会社「日本文化チャンネル桜」の水島総(さとる)社長(66)ら選対幹部らが、この男性だけでなく、田母神氏本人と選対事務長も流用に関与していた疑いがあるとして、業務上横領罪で3人を東京地検特捜部に告発していた。

 同会の政治資金収支報告書によると、26年に約1億3200万円の収入があり、元会計責任者の資金横領による「使途不明金」として約5054万円を計上。関係者によると、使途不明金の一部が、運動員への謝礼に充てられていた可能性があるほか、田母神氏らの個人的な使途に使われた疑いがあるという。

 水島社長は産経新聞の取材に「選挙に関わったスタッフが勇気をもって内部告発した。東京地検特捜部には使途不明金の全容を解明してほしい」と話した。
産経ニュース(2)(2016.3.7)

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