安倍晋三首相

 産経新聞社とFNNの合同世論調査では、北朝鮮の弾道ミサイルの発射元をたたく敵基地攻撃能力について「保有すべきだ」が53・8%と「保有すべきでない」の38・2%を上回った。
 安倍晋三首相は「現時点で具体的な検討を行う予定はない」と慎重だが、本格的な検討へ世論の素地は整いつつある。

 調査では、北朝鮮の動向に「脅威を感じる」との回答が84・7%に上り、米朝の軍事衝突にも77・0%が懸念を示した。弾道ミサイル防衛態勢の強化にも68・0%が賛成した。

 敵基地攻撃能力を保有すべきだとの回答は、支持政党を問わず一定割合を占めている。公明党は山口那津男代表らが慎重姿勢を示しているが、調査では公明党支持層の47・2%が保有に賛成し、反対の36・1%を上回った。民進、共産両党の支持層は反対派が賛成派を上回ったが、それでも賛成派が民進党42・2%、共産党40・0%だった。

 非核三原則の見直しに関しては、「見直しを議論すべきではない」が53・7%と「議論すべきだ」の43・2%を上回った。

 年代別にみると、高齢層ほど見直し議論に積極的という傾向が出た。
「議論すべきだ」との回答は、男性では60代以上が最多の51・4%で、最少は30代の37・0%。女性は60代以上が最多の46・4%で、10、20代の31・3%が最少だった。

 一方、日本の核兵器に関する設問では、79・1%が「保有すべきではない」と否定的だった。
産経ニュース2017.9.18


◇小野寺五典防衛相は敵基地攻撃能力の保有に前向き

小野寺五典防衛相は敵基地攻撃能力の保有に前向き

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※敵基地攻撃力(策源地攻撃力)とは
 故鳩山一郎首相が政府統一見解として示し(昭和31年)、歴代内閣によって踏襲されてきた。
 「座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨ではない。攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、敵の攻撃基地を叩くことは、法的に自衛の範囲に含まれ、可能である」