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10日夜、グアムの空軍基地を飛び立つB1Bランサー(米太平洋空軍提供)

【ソウル聯合ニュース】
「死の白鳥」の異名を持つ米戦略爆撃機B1Bが10日夜、再び予告なく朝鮮半島上空に展開された。 

 在韓米軍や韓国軍合同参謀本部などによると、2機のB1Bは米領グアムのアンダーセン空軍基地を10日午後8時ごろ離陸し、約2時間後の午後10時過ぎに韓国の東の海上に姿を現した。
 南北軍事境界線(MDL)より南の内陸部を飛行し、仁川上空を通過して韓国の西の黄海に抜けたとされる。 

 B1Bが夜間に朝鮮半島に飛来したのは、先月23日夜から翌日未明にかけて北朝鮮東方沖の国際空域を飛行して以来、2回目。
 このときと同様、今回も北朝鮮は戦闘機を出撃させる対応を取らなかったという。 

 北朝鮮は電力事情やレーダー性能を考慮し、対空レーダーの常時稼働はしていないとみられている。
 韓国軍関係者は、北朝鮮がこの間、午後10時台にはレーダーを稼働させていなかったと伝えている。
 北朝鮮が今回、対空レーダーを稼働させていたかどうかは確認が取れていないが、戦闘機が出撃しなかったことから止めていた可能性もある。 

 地下施設を破壊できる誘導爆弾などを搭載したB1Bを米軍が夜間に朝鮮半島上空に展開した狙いについて、ある韓国軍関係者は「密かに奇襲・侵入する能力を誇示し、心理的に苦しめる意図もある」と説明し、北朝鮮は相当なプレッシャーを感じているとの見方を示した。 

 軍合同参謀本部は今回のB1Bの展開について「拡大抑止の実行力を高めるための定例的な展開訓練」と説明し、B1Bが定期的に朝鮮半島に飛来することを強調した。

 国防部や軍合同参謀本部は、B1Bが少なくとも毎月2週または3週間隔で1~2回ほど朝鮮半島に派遣されることになると説明している。 

f15k
F15K

 B1Bが今回、2機の韓国軍戦闘機F15Kとともに海上で空対地ミサイル発射を想定したシミュレーション訓練を実施したことも、注目に値する。

 有事の際、B1Bは朝鮮半島上空で北朝鮮のターゲットが位置する座標に向けて空対地ミサイルを発射することになるため、深夜であってもターゲットを攻撃できる能力を誇示したとも評価されている。 
聯合ニュース 10/11(水)