夢見るテレーズ(Therese Dreaming)

【AFP=時事】
 米ニューヨークのメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)に展示されている仏巨匠バルテュス(Balthus)の作品「夢見るテレーズ(Therese Dreaming)」が「いかがわしい」として、作品の撤去もしくは説明を付しての展示を求める嘆願運動が行われており、5日までに9000人以上が署名した。

「夢見るテレーズ」はバルテュスの1938年の作品で、片足を椅子に持ち上げ、スカートが太ももまでめくれ下着が見える姿勢で座る少女が描かれている。

 しかし映画界の大物ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏によるセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)疑惑をきっかけに国内で著名人の性的不品行に対する非難が高まっていることもあり、同作品を展示するのは不適切だとする声が高まっていた。

 署名運動を立ち上げたミア・メリル(Mia Merrill)さんは、世界最高峰の美術館の一つであるメトロポリタン美術館がこのような作品を展示するのは「困惑させられる」と語った。

 メリルさんは「性的暴行やその告発が毎日のように公になる今の状況を考えると、何らかの釈明もなく多くの人に展示するというのは、意図したものではないかもしれないが、美術館側がのぞき趣味や子どもを物扱いすることを支持することになる」とコメントした。

 ただ、メトロポリタン美術館に近い消息筋によると、作品の撤去や解説文の修正を行う予定はないという。【翻訳編集】 AFPBB News
時事ドットコム 12/6(水)


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[グランシャレ(スイス・ロシニエール村)のアトリエ、左は節子夫人]


※バルテュス(Balthus, 1908年2月29日 - 2001年2月18日)
 フランスの画家。
 本名は バルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラ (Balthasar Michel Klossowski de Rola) 。ピカソはバルテュスを「二十世紀最後の巨匠」と称えている。 
 父はポーランドの貴族の生まれ、母はロシア生まれのユダヤ人。実兄は作家。
 同時代の才能あふれる作家やクリエーターから生涯にわたって賛辞を受け、深い親交で 結ばれた。