宮沢みきおさんの母節子さん(86)
2000年12月に東京都世田谷区で会社員の宮沢みきおさん(当時44歳)の一家4人が殺害された事件は、30日で発生から17年になる。
殺人事件の被害者遺族でつくる「宙(そら)の会」は、宮沢さんの母節子さんが一家の写真をもとに思い出を語るスライドショー仕立ての動画を作成した。
節子さんは86歳。
「幸せな家族が被害に遭ったことを後世に伝えたい」との思いからだ。動画は16日に開かれる追悼集会で上映される。【深津誠】
◇「幸せな家族 被害に」
「これはコデマリの花ね。いつもここで撮ったのよ」。現場近くの公園で撮られた一家の記念写真に、節子さんのとつとつとした語りが重なる。
「みきおは子供が大好きでね」「礼は体が重くてお守りも大変だったのよ」
17分間の動画に使われた写真は約200枚。ほとんどがカメラ好きだったみきおさんが撮った写真だ。節子さんの思い出話は尽きることがない。
「みきおは子供が大好きでね」「礼は体が重くてお守りも大変だったのよ」
17分間の動画に使われた写真は約200枚。ほとんどがカメラ好きだったみきおさんが撮った写真だ。節子さんの思い出話は尽きることがない。
事件の後、一家の写真は節子さんが引き継いだ。
約50センチ四方のプラスチックの箱に入りきらないほどの「家族の幸せの記録」。
節子さんは「小さい頃にみきおの写真もたくさん撮ったから、子供にも同じことをしてあげたかったのかもしれない」と話す。
約50センチ四方のプラスチックの箱に入りきらないほどの「家族の幸せの記録」。
節子さんは「小さい頃にみきおの写真もたくさん撮ったから、子供にも同じことをしてあげたかったのかもしれない」と話す。
スライドショーの制作は、宙の会特別参与で、事件の捜査本部が置かれた警視庁成城署の署長を務めた土田猛さん(70)が提案した。
土田さんは「写真を見ると一家の幸せを追体験できる。節子さんの声で映像に残したかった」という。事件から月日がたち、どうしたら風化を防げるのか考えた末の取り組みでもある。
土田さんは「写真を見ると一家の幸せを追体験できる。節子さんの声で映像に残したかった」という。事件から月日がたち、どうしたら風化を防げるのか考えた末の取り組みでもある。
夫良行さんが5年前に84歳で逝き、節子さんは独りになった。寂しくなるので、写真を見返すことはほとんどないというが、「自分が話さないといけない」との思いから提案を引き受けた。
追悼集会は16日、現場近くのホールで開かれる。
「なぜ事件が起きたのか、それが一番知りたい。私が元気なうちに解決したとみきお一家と夫に報告したい」。節子さんはそう思い続けている。
「なぜ事件が起きたのか、それが一番知りたい。私が元気なうちに解決したとみきお一家と夫に報告したい」。節子さんはそう思い続けている。
※事件のあった家(右)と妻康子さんの実家(左)はフェンスで囲われ、警察官が常駐している
2000年12月31日、東京都世田谷区上祖師谷3の会社員、宮沢みきおさん(当時44歳)、妻泰子さん(同41歳)、長女にいなさん(同8歳)、長男礼ちゃん(同6歳)の4人が自宅で殺害されているのが見つかった。
現場の遺留品や血痕などから犯人は血液型がA型、当時15~35歳前後の若い男で、身長が約170センチ前後とされる。
犯行時、袖が薄紫のLサイズの灰色トレーナーを着用していたとみられる。
現場からは犯人のものとみられる指紋やDNA型も採取されている。
(情報提供:警視庁成城署捜査本部)
現場の遺留品や血痕などから犯人は血液型がA型、当時15~35歳前後の若い男で、身長が約170センチ前後とされる。
犯行時、袖が薄紫のLサイズの灰色トレーナーを着用していたとみられる。
現場からは犯人のものとみられる指紋やDNA型も採取されている。
(情報提供:警視庁成城署捜査本部)