※北朝鮮が5月23~25日に核実験場を廃棄すると発表しているようですが、元々使い物にならない状態であったものを米朝首脳会談のカードに使うのはセコすぎるのでは?  まあ北朝鮮らしいといえばらしいともいえますが。

 豊渓里の実験場で核実験を繰り返したせいで近くの万塔山が崩落の危機(山疲労症候群)にあるというのは、昨年既に専門家からも指摘されていたことであり、核実験や自然地震で山が崩落した場合、放射性物質が大量に放出されることになり、経済制裁の続く北朝鮮としては広範囲での健康被害や経済的ダメージを避けるためにも実験場の完全閉鎖が急務と判断したと思われます。

豊渓里 実験場から約1000㎞程度しか離れていない日本も放射性物質放出の影響を受けるのは必至ですし、米朝会談等で拉致問題を突きつけられたくないというのもあって日本の取材陣をシャットアウトしたいという意図が透けて見えますね。

 
豊渓里(プンゲリ)核実験場

 ◇北朝鮮、23~25日に核実験場廃棄=坑道爆破、関連施設撤去―取材陣から日本外す

【ソウル時事】北朝鮮外務省は12日、北部の核実験場(豊渓里)を廃棄する式典を23~25日の間に、気象条件を考慮して行うと発表した。

 朝鮮中央通信が伝えた。すべての坑道を爆破し、入り口を完全にふさいで観測施設などを撤去する。さらに、研究者、警備要員も撤収させ、「核実験場周辺を完全閉鎖する」という。

 北部の核実験場とは、過去6回の核実験が行われた豊渓里の施設を指す。
 金正恩朝鮮労働党委員長は4月27日に板門店で行われた文在寅大統領との会談で、5月中に核実験場を閉鎖する方針を表明していた。

 6月12日にシンガーポールで開催予定のトランプ米大統領との初の米朝首脳会談を前に、非核化実現に向けた意思を明確にするとともに、非核化措置を段階的に講じていく姿勢を強調する狙いがありそうだ。

核実験候補地は豊渓里(プンゲリ)以外にも多数存在
 北朝鮮にある核兵器開発の関連施設は最大で150か所

 北朝鮮外務省は「核実験場の廃棄を透明性をもって示すため、国際記者団の現地取材を認める用意がある」と表明。
 核実験場が狭い点を考慮し、現場に招く国際記者団は、中国、ロシア、米国、英国、韓国の記者に限定するといい、日本は含まれていない。 
時事ドットコム 5/12(土)

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