金正恩氏、文在寅氏、ドナルド・トランプ
左から金正恩氏、文在寅氏、ドナルド・トランプ氏

 ◇非核化をめぐる米朝の認識のずれを招いた文大統領“二枚舌外交”

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が26日、軍事境界線上にある板門店の北朝鮮側で、2度目の首脳会談を行った。韓国大統領府が同日、発表した。両首脳の会談は4月27日以来。

 2度目の南北首脳会談は、現地時間の午後3時から午後5時にかけて、秘密裏に行われ、事後に発表された。ドナルド・トランプ米大統領が中止を発表した米朝首脳会談を予定通り実現しようと、韓国と北朝鮮の間で協議が続いている。

 韓国大統領府は南北会談について、「北朝鮮と米国の首脳会談を成功させるため(中略)両首脳は意見を交換し合った」と発表した。文大統領は27日午前にも、金委員長との話し合いの結果を発表するという。

 トランプ米大統領は24日、予定されていた米朝首脳会談を、北朝鮮の「強烈な怒りとあからさまな敵対心」を理由に中止すると、金委員長あての書簡で通告した。

 しかし、北朝鮮がこれに「まったく予想外」だと遺憾の意を示し、「いつでも」対話の用意があると声明を出すと、トランプ氏は25日になって、北朝鮮と協議していると記者団に述べ、ツイートでも、北朝鮮と「生産的な話し合い」が続いているとコメント。予定通り6月12日にシンガポールで首脳会談を実施する可能性に言及した。

 韓国の文大統領は、トランプ氏の中止通告に「非常に当惑している」と述べ、中止は「非常に遺憾だ」とコメントしていた。

 実現すれば歴史的な出来事となる米朝首脳会談では、朝鮮半島の非核化が主要な議題となる見通し。米国と北朝鮮の間で「非核化」の意味が大きく食い違っており、米国のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やマイク・ペンス副大統領が、「リビア方式」に言及したことに、北朝鮮は強く反発していた。

 ペンス副大統領は21日、金委員長が米国との取引に合意しなければ、北朝鮮は「リビア方式が終わったように終わるしかない」と発言していた。
 これは、2003年にリビアのカダフィ政権が制裁解除と引き換えに大量破壊兵器の開発放棄を約束し、国際機関の査察を受け入れた後、2011年に政権が崩壊し、最高指導者のカダフィ大佐が殺害された経緯を意味するものと広く受け止められた。
(英語記事 Korean leaders meet in surprise summit)
BBC 5/26(土) 

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