kp

 ◇北制裁維持、拉致問題取り上げを日米が確認 G7でも両国が問題提起

 河野太郎外相は6日、マイク・ポンペオ米国務長官とワシントンの国務省で会談し、北朝鮮に「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」(CVID)を求め、米独自制裁や国連安全保障理事会決議に基づく現行の制裁を維持して非核化のため具体的な行動を取らせるとの基本方針を確認。
 12日の米朝首脳会談後に日米や日米韓が協議することでも一致した。河野氏が記者団に語った。

 河野、ポンペオ両氏は日本人拉致問題をめぐり協議し、米朝首脳会談で取り上げることを改めて確認した。また、8、9両日にカナダ東部シャルルボワで開かれる先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、日米が北朝鮮問題を提起することも話し合った。

 外務省関係者によると、ポンペオ氏は河野氏に対し、日本を射程に入れる中・短距離を含むすべての弾道ミサイル、大量破壊兵器をCVIDの対象にすることを明確にした。

 トランプ大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を前に「最大限の圧力」という表現を使わないとしていることに関し、河野氏は記者団に「手持ちの(追加)制裁をするようなことにしないでほしいという金委員長宛てのメッセージだ」と述べた。

 米朝首脳会談後に日米外相会談を再び実施するが、日程や場所は調整中で、河野、ポンペオ両氏は必要に応じて電話で緊密に連絡を取り合うことを申し合わせた。
 両氏は7日にホワイトハウスで開かれる安倍晋三首相とトランプ大統領の首脳会談に同席。両首脳は米朝首脳会談を前に日米の対処方針をすりあわせ、首相は拉致問題の議題化を重ねて要請する意向だ。

 これに先立ち、首相は6日夕、政府専用機でワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した(下)。
安倍首相夫妻:アンドルーズ空軍基地

 【ワシントン時事】河野太郎外相は6日午後(日本時間7日午前)、ポンペオ米国務長官とワシントンの国務省で25分間会談した。

 両外相は北朝鮮に「完全かつ検証可能、不可逆的な核放棄」を求めることを改めて確認。非核化が達成されるまでの間は、国連安全保障理事会決議に基づく経済制裁と日米双方の独自制裁を着実に履行していく方針で一致した。

 12日に予定される米朝首脳会談の後、結果を踏まえて日米両外相が再び会談することや、日米韓3カ国で緊密に意思疎通を図ることも申し合わせた。
 また、両外相は日本人拉致問題の解決に向けて協力していくことや、日本が射程に入る短・中距離ミサイルの廃棄を北朝鮮に求めていくことでも一致した。

 対北朝鮮制裁をめぐり、トランプ米大統領は1日に「最大限の圧力という言葉はもう使いたくない」と発言。
 これに関し、河野氏は会談後、記者団に「(米国が準備していた)手持ちの制裁を実行しないでいいようにしてほしいという北朝鮮へのメッセージだと理解している」と述べ、既存の制裁は継続されるとの認識を示した。


日朝対話「1億年後も無理」=北朝鮮紙

 ◇日朝対話「1億年後も無理」=北朝鮮紙、圧力姿勢批判

【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)は6日、北朝鮮が核を放棄するまで制裁や圧力を継続するよう主張している日本について、「1億年たっても、(北朝鮮の)神聖な地に足を踏み入れることはできない」と批判する論評を掲載した。

「私は核撃つ人間でない」=金正恩氏、米に柔軟姿勢-北朝鮮

 韓国の文在寅大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談後、安倍晋三首相と電話会談し、正恩氏が「日本と対話の用意がある」と表明したと伝えている。同紙は、日本が米韓と連携して日朝対話を模索している一方、圧力継続を訴えていることについて、「日本は心を入れ替えろ」と非難した。
時事ドットコム 2018/05/06

        *
◆関連記事
当初の予定通り「6月12日に米朝首脳会談」=トランプ氏
 →正恩氏の親書を評価するも「圧力は維持」

【日米首脳会談】安倍首相は6月7日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談
 →ポンペオ国務長官は週内に金正恩氏側近、金英哲副委員長と会談へ

ポンペオ国務長官、金英哲
ポンペオ国務長官と金英哲副委員長