※大戦後、GHQにより機体を接収・破壊され、資料もすべて奪われ、飛行機の研究や設計・製造を禁じられて開発を足止めされてきた国産機が、2015年初飛行に成功。

 今上陛下はその際に、「かつて日本で戦後初めてつくられたプロペラの旅客機YS11の試験飛行を、羽田の空港で関係者とともに見守ったことが懐かしく思い起こされました。それから五十年以上がたったわけです」と、MRJの初飛行成功に感慨も一入であられたとご言及され、皇太子様も、「私自身、小学校6年生の時に、生まれて初めて乗った飛行機が戦後初の国産のYS11機でした」と語られておられます。
 
MRJ ファンボロ―

 ◇国産初のジェット旅客機「MRJ」

 イギリスで行われている世界最大級の航空ショーで、国産初のジェット旅客機「MRJ」が初めてデモンストレーション飛行を行いました。

 イギリス南部で開催中のファンボロー国際航空ショーで、三菱航空機のMRJがデモンストレーション飛行を行いました。離陸後、急上昇して滑走路上空を急旋回するなど約10分間、その性能をアピールしました。

三菱重工・宮永俊一社長:「皆様に見て頂いて、飛行機が順調に開発できているということをご理解頂けたと信じています」

 MRJが参入する小型機市場の業界再編が進むなか、どこまで世界にアピールできるかが今回のデモ飛行の焦点です。MRJの納入はこれまで5度も延期され、当初から7年遅れの2020年半ばになる見込みです。
ANN 7/17(火) 
(リンク先動画あり)

※三菱重工がMRJの生産にあたって、トヨタ自動車の生産方式を導入して量産体制を確立すると目標を掲げた(2016)ことで、アメリカから難癖にも近い再三の横槍が入って遅れていましたが、やっとここまで漕ぎ着けたかという感じです。

 当面の目標としている月産10機の目処が立てば、これまでの受注分も3~4年で納入可となり、世界の小型機市場でのアピール効果も期待できます。

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YS11

■YS11
戦後初の国産プロペラ旅客機で、零戦や隼など戦時中の戦闘機を手がけた技術者が結集して作り上げられたこともあり、YS11の初飛行は戦後復興の象徴でもあった。

 平成18年に航空法が改正され、高価な空中衝突防止装置の設置が義務付けられたことで民間機の定期航路から姿を消したが、同法は自衛隊機には適用されないため、航空自衛隊で主に輸送機として活用され、現役続行中。

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※参照:防衛最前線(82) 

※近現代史研究家の水間政憲著「『日本の翼』の真実Ⅰ~Ⅵ」は、国産機の初飛行から戦後初の国産機MRJ90まで、断絶させられた空白の7年間を含む百年超の歴史を豊富な一次資料をもとに紐解いています。
 今回、主に参考にしたのはシリーズのⅠ、Ⅱですが、各¥200と安価で、シリーズを通して他にない一級の資料がご覧になれます。お勧めです。