余命
10月29日、「NHKのクローズアップ現代+」でブログ管理人のインタビューを放送

※懲戒請求を煽った『余命三年時事日記』のブログ管理人は、NHKの取材に対し「個人の判断で独自でやっているから(自分は)関係ない。請求者が自分で名前を書いてハンコを押したんだから、それに対して何の責任も感じない」と回答。

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「外患誘致罪」と書かれた紙片をかざす佐々木弁護士
佐々木亮弁護士(左)に懲戒請求者から届いた封書には「外観誘致」の紙片が入っていた。右は北周士弁護士。
[2018年5月16日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ、小松隆次郎撮影]

 全国の弁護士会に大量の懲戒請求が出された問題で、東京弁護士会の弁護士2人が「不当な請求で業務を妨害された」として、900人超の請求者に各66万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こすことを決めた。請求者1人ごとに訴えるため、900件超の訴訟となる。まずは2日、6人を相手に提訴する予定だ。
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 訴訟を起こすのは北周士(かねひと)、佐々木亮の両弁護士。
 昨年以降、計4千件の懲戒請求を受けた両弁護士は今年4月、約960人の請求者を相手に訴訟を起こす考えをツイッターで表明。
 同時に和解も打診したが、応じたのが約20人にとどまったため、残る人について提訴する方針を決めた。
 北弁護士は朝日新聞の取材に「件数が多いので、裁判所の対応を見ながら随時提訴したい」と話している。
朝日新聞デジタル 2018年11月1日

「和解未了の懲戒請求者全員を提訴」する方針
北周士弁護士訴訟提起 2018-11-1
※北周士弁護士は佐々木亮弁護士を支援するツイートをしたという理由だけで懲戒請求された。

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 ◇ブログで煽られ弁護士2人に懲戒請求4千件 両弁護士は提訴の方針

 東京弁護士会の弁護士2人が16日、東京都内で記者会見し、インターネット上で懲戒請求をあおられた結果、計約4千件の請求が出されて業務を妨害されていることを明らかにした。2人はこのうち一部の請求者に損害賠償を求める訴えを起こす方針という。

 2人は佐々木亮、北周士の両弁護士。
 2人によると、2016年4月、東京弁護士会が朝鮮学校への補助金支給をめぐる国の対応を批判する会長声明を出した。
 1年以上たった17年6月、声明による意見表明を「犯罪行為」などとして、佐々木弁護士を含む同弁護士会の10人に対して大量の懲戒請求が出された。ネット上で請求が呼びかけられ、昨年9月には佐々木弁護士の事務所に「懲戒請求者は90億人いる」「外患誘致」などと書かれた封書も届いた。

 同弁護士会の役員ではなかった佐々木弁護士には請求を受ける心当たりがなく、ツイッターで請求の動きを批判。北弁護士も佐々木弁護士を支援するツイートをした。すると、2人に対する懲戒請求が相次いだという。

 2人は今年4月、ツイッターでこのうち約960人の請求者に対して訴訟を起こす考えを表明するとともに、和解を打診。一部の請求者からは和解の申し出があった。2人に「これで日本がよくなると思った」と話す請求者もいたという。

 弁護士の懲戒請求は弁護士法で定められ、誰でも弁護士会に出すことができる。請求があると弁護士会は対象の弁護士に通知書を送り、処分の要否を判断する。佐々木弁護士は「懲戒請求制度を否定するつもりはないが、私の仕事内容も知らずに請求するのはおかしい」と話している。

 日本弁護士連合会によると、朝鮮学校の補助金問題を巡る弁護士への懲戒請求は昨年6月以降、急増。ネット上には請求のひな型もアップされていた。(北沢拓也、小松隆次郎)
朝日新聞デジタル 2018年5月16日

大量懲戒請求

 ◇『余命三年時事日記』ブログを信じ「日本のためと思い」大量懲戒請求

 全国の弁護士会に約13万件の懲戒請求が寄せられていた問題の背景には、朝鮮学校への補助金支出などを批判するブログの存在が指摘されている。記述に「あおられた」という当事者たちは取材に、「懲戒請求することが日本のためになると思い込んでいた」「洗脳されていた」と話す。

ネットであおられ弁護士2人に大量懲戒請求
 首都圏に住む50代の無職女性は、懲戒請求を繰り返していた一人。元々、政治や歴史について明確な考えはなかったが、2015年ごろに「ネットサーフィンで偶然、見つけた」あるブログで、日本に住むアジア出身の外国人を非難する記述を読んで変わった。

「日本人がすぐれていると強調する内容。今思えば、どう読んでも差別をあおっていたが、私は歴史について無知で、『こんな考え方もあるのか』と信じてしまった」と語る。

 このブログが取り上げるテーマの一つは、朝鮮学校への補助金支出だった。自治体が補助金を出すことの再考を促した国に対し、全国21の弁護士会が批判の声明などを出したところ、弁護士会の幹部らを外患誘致罪や内乱罪で告発するよう、呼びかけ始めた。
 だが受理されなかったとみられ、17年4月には「この件は懲戒請求をもって対応する」と書かれていた。

 「ブログの言うとおりに懲戒請求をすることが、日本のためになると思い込んでしまった」という女性が、コメントで参加を表明すると、告発状や懲戒請求のひな型が届いた。書類には請求対象の弁護士名が記されており、女性は名前と住所を書き込んで、約200枚を郵送した。

 だが、今年に入り、ブログ上で運営者側と読者の間でいざこざが起きたことをきっかけに、内容にも違和感を抱くようになった。

※ブログには「懲戒請求者の氏名は伏される」と明記されていた
クロ現+3

 「のせられてしまったのではないか」と感じ始めていたのと同じころ、懲戒請求を受けた弁護士のうち少なくとも7人が、訴訟を準備していると知った。
 弁護士側は和解も呼びかけるが、女性の場合は計40万円の和解金が必要になる。「痛い思いを繰り返さぬよう、反省したい」と話す。

 千葉県に住む公務員の30代男性もこのブログを読んだことをきっかけに、懲戒請求した。閲覧を始めたのは12年ごろ。当時の民主党政権を支持していたが、同年の衆院選で自民党が過半数を得て、政権に返り咲いた。自らの考えに自信を失いかけたところ、「日本人の優越性」を唱えるブログに賛同するようになった。
朝日新聞デジタル 2018年6月23日

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渡辺輝人