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WEF2019

【1月4日 AFP】世界経済フォーラム(WEF)は3日、牛肉から代替タンパク質に切り替えることで、数百万人もの命が救われ、温室効果ガスの排出が劇的に削減されることが考えられると発表した。 

 英オックスフォード大学マーティンスクール(Oxford Martin School)がWEFのために実施した今回の最新研究では、食用肉、特に牛肉を別のものに置き換える取り組みによって、人の健康と自然環境に大きな恩恵がもたらされる可能性について指摘された。 

 WEFによると、食事に関連する世界の死亡事象の約2.4%は、牛肉から離れることで回避可能になると考えられるという。
 WEFは毎年1月、スイスの高級スキーリゾート地ダボス(Davos)で、世界の資産家、著名人、有力者などが集う豪華な年次総会(ダボス会議)を主催している。 

ダボス
高級スキーリゾート地ダボス

 オックスフォード大マーティンスクールが発表した報告書「代替タンパク質(Alternative proteins)」は、富裕国でこの傾向が特に顕著で、死を回避できる可能性は最大5%に上るとしている。
「最大のプラス効果が得られるのは牛肉の消費量が多い富裕国であり、食物繊維の摂取量を増やすことの恩恵が特に大きい」と記された。 

 今回の報告書では、食事関連要因の年間死亡者数の予想値や、対象となる病気や症状についての情報は提供されなかったが、WEFは、食用肉からの切り替えで「年間数百万人に及ぶ不必要な死を回避できる可能性がある」と主張している。 

 WEFはまた、世界人口が今世紀半ば頃には100億人にまで膨らむと予測されるのに伴い、食用肉の需要が増加し続けることも予測されるとしている。 

 これについて、WEFのドミニク・ウォーレイ(Dominic Waughray)専務理事は、発表した声明の中で「食用肉に対する将来の世界需要を持続的に満たすことは不可能になるに違いない」と指摘している。 

牛肉

■食糧システムが崩壊する前に 

 今回の報告書では、牛肉、豚肉、鶏肉に加えて、マメなどの果実や野菜、豆腐などの非動物性の代替加工食品、昆虫など13種類のタンパク源を分析した。 

 分析の結果、食用肉を代替タンパク質に切り替えることで、栄養素の摂取量にはプラスとマイナスの両方の影響が及ぶ可能性があるが、全体的に見ると、その摂取量を増やすことによって健康増進がもたらされることが分った。 

 マメ、マイコプロテイン(菌類由来のタンパク質)、エンドウなどは最大の健康増進効果をもたらし、死亡率を最大で7%低下させる可能性があることが、報告書の分析で明らかになった。 

 報告書はまた、牛肉生産だけで食品に関連する温室効果ガス全排出量の4分の1を占めることを示す2010年のデータにも触れ、代替タンパク質が見つからなければ、タンパク質の需要急増によって自然環境に非常に大きな圧力がかかる恐れがあることを主張した。 

 畜産業は地球の大気に三つの脅威を及ぼす。
 一つ目の脅威は動物が温室効果ガスのメタンを大量に生成することで、二つ目は炭酸ガスを吸収する森林が牧草地を切り開くために伐採・消失すること。三つ目は、家畜を養うために膨大な量の水が必要になることだ。 

 世界自然保護基金(WWF)のマルコ・ランベルティーニ(Marco Lambertini)事務局長は、WEFの声明の中で「地球と人類の未来のために人間の食糧システムの変革を行う必要があることの証拠は明白」としながら、「われわれは、食糧システムが崩壊する前にこの問題に対して何らかの対策を講じることができる最後の世代だ」と述べた。(c)AFP
 AFP 2019年1月4日

●牛肉を代替タンパク質に替えることで人類の5%が死を回避できる