新聞社などに脅迫文 オウム元幹部か

 東京、大阪、札幌の製薬会社や毎日新聞東京本社など13社にシアン化カリウム(青酸カリ)やその疑いがある白い粉末、脅迫文入りの封筒が届いた事件で、朝日新聞東京本社にも25日、白い粉末の入った封筒が届いていた。

 差出人としてオウム真理教元幹部の名前が記載され、製薬会社などに宛てられたものと同様の文言とみられる脅迫文も同封されていた。
 開封した担当者は同日、インフルエンザによる体調不良により早退したため詳しく確認できず、社内で改めて週明けの28日に封筒の内容を精査し、警視庁築地署に届け出た。今後詳しく調べる。

 これまで同様の封筒は、東京都内では製薬会社7社と毎日新聞東京本社、食品会社、札幌市の食品会社支社、大阪府内の製薬会社3社に送られている。

警視庁本部
警視庁本部
 
 ◇青酸カリ? 粉末と脅迫文、新たに東京・大阪の4社にも
 東京、大阪、札幌で製薬会社や毎日新聞東京本社など計9社に猛毒のシアン化カリウム(青酸カリ)やその疑いがある白い粉末、金銭を要求する脅迫文入りの封筒が送られた事件で、ほかに東京都内の製薬会社と食品会社の計2社と大阪府内の製薬会社2社にも同様の封筒が届いていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁と大阪府警は粉末が青酸カリの可能性があるとみて詳しく鑑定する。

 新聞社と製薬会社に白い粉と脅迫文 オウム元幹部名乗る
 捜査関係者によると、新たに判明した都内の2社に届いた封筒には白い粉末と、「青酸カリを入れた薬を流通させる。2月22日までに3500万ウォンをビットコインで送れ」などと記された脅迫文が同封されていた。いずれも25日までに届いていたという。警視庁はこれまで都内では製薬会社と新聞社の計7社に送られているのを確認しているが、今回の封筒も文面から同一人物によるものとみている。

 大阪府内の2社についてはいずれも会社側から28日、府警に届け出があった。届いたのは脅迫文と白い粉末入りの封筒で、府警はこの粉末も青酸カリの可能性があるとみている。
朝日新聞デジタル 2019年1月28日


 ◇新聞社と製薬会社に白い粉と脅迫文 オウム元幹部名乗る

 毎日新聞東京本社(東京都千代田区)や都内の製薬会社6社に、白い粉末と脅迫文が入った封筒が送られていたことが警視庁への取材でわかった。粉末は猛毒のシアン化カリウム(青酸カリ)の疑いがあるという。同庁はさらに詳しく鑑定するとともに、脅迫文の文面などから同一犯の可能性が高いとみて恐喝未遂などの疑いで捜査を始めた。

 捜査1課によると、封筒は7社に25日に届き、いずれも5センチ四方のポリ袋に入った白い粉末と脅迫文が同封されていた。粉末の簡易鑑定で、青酸カリとの結果が出たという。

 ◇「2月22日までに3500万ウォンをビットコインで払え」

 脅迫文はいずれもパソコンで打たれたA4の紙1枚で、「青酸カリを入れた偽物の薬を流通させる。2月22日までに3500万ウォンをビットコインで払わないと悲劇が起こる」などと記載されていた。

 差出人はそれぞれ、「麻原彰晃」らオウム真理教元幹部や暴力団幹部、政治家らの名前で、住所は東京拘置所(東京都葛飾区)や刑務所などだった。脅迫文には死刑が執行されたオウム真理教元幹部について「冥福を祈ります」などとも書かれていた。昨年1月にも、今回の会社を含む複数の製薬会社に同様の脅迫文が送られていたという。
朝日新聞デジタル 2019年1月26日