西尾幹二の遺言「時代の嵐に閉じ込められても、しなければならないこと」

西尾幹二
評論家・西尾幹二氏/写真:産経新聞

(以下、抜粋要約)

「もはや論壇はなくなってしまった――」
 29歳のデビュー以来、半世紀以上にわたって言論活動を続ける孤高の言論人・西尾幹二氏のロングインタビューより。
聞き手:近現代史研究者の辻田真佐憲氏

 ◇『ネトウヨは匿名で正体を隠して誤魔化しながら発言し、憂さを晴らす』

――最近ではネット右翼と呼ばれる、「安倍首相を支持しなければ反日だ」「中国人や韓国人は出て行け」などのメッセージをインターネット上で発する層が現れています。どのように感じていますか。

 匿名発言の無責任さ

 ◇「安倍さん大好き人間」の悪いところ

――西尾さんは『 保守の真贋 』(2017年)で日本会議や国民文化研究会、日本政策研究センターといった安倍首相を運動的・思想的に支える組織を「保守系のカルト教団」と強い言葉で批判されています。また安倍首相自身に関しても「拉致に政権維持の役割の一端を担わせ、しかし実際にはやらないし、やる気もない」と厳しく批判しています。

安倍ちゃん大好き人間の弊害

――それでも西尾さんの言葉で言うところの「安倍さん大好き人間」がいっぱいいる。

安倍ちゃん大好き人間の悪いところ

――『正論』はいかがですか。

正論はまだマシ

 ◇67歳で開設した「インターネット日録

――論壇は左が強い時代もあれば右の強い時代もあります。現在は一般的には右側の強い時代とされていますが、分断された社会に左右の論陣があるというイメージでしょうか。コミュニケーションは成立しにくくなっていますね。西尾さんは現在の論壇状況をどのようにご覧になっていますか。

今上陛下の左傾化を憂う

――まさに言論状況が分断されていることを表していますね。

論者はキャラクター化してはならない

――たしかに最近は、専門家以外は語るな、素人は黙っていろという専門主義の風潮が強くなっています。かつてのようになんでも語る論者は少ないですし、居場所がなくなっているようにも思います。西尾さんが期待している論者とはどんな人ですか。

今、期待している論者

 ◇歴史学がタコツボ化しては、大きな謎を提示できない

歴史はタコツボ化してはならない

――それは、ややもすれば専門性に偏り過ぎてしまい、全体像を示すことを忘れがちな最近の研究者、論者への強いメッセージにも聞こえます。謎とは例えばどのようなものでしょうか。

歴史家はタコツボに入ってはいけない

――歴史家としての「実証か物語か」への見解から半世紀以上にわたる言論人としての姿勢をお伺いしながら、そこに“最後の言論人”としての覚悟を感じる思いでした。西尾さんが論壇の長老としてこれからの言論人に言い遺しておきたいことがあるとすれば、何でしょうか。

勇気の欠落はすべての悪

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