デービッド・ケイ
国連の特別報告者デービッド・ケイ氏

 ◇平和的な集会や抗議活動の保護など9項目が履行されていない

 言論と表現の自由に関する国連の特別報告者デービッド・ケイ氏が、日本のメディアは政府当局者の圧力にさらされ、独立性に懸念が残るとの報告書をまとめた。
「政府はどんな場合もジャーナリストへの非難をやめるべきだ」とした。 

 ◇政府に対する勧告11項目中9項目が不履行

 ケイ氏は2016年に日本を訪問し、翌年に報告書をまとめて勧告を行った。
 今回は続報として勧告の履行状況などを報告。
 政府に対する勧告11項目のうち、放送番組の「政治的公平」などを定めた放送法4条の撤廃、平和的な集会や抗議活動の保護など9項目が履行されていないとした。 

 今回、ケイ氏からの問い合わせに日本政府は答えなかったとしている。報告書は国連人権理事会に提出され、審議されるが、勧告に法的拘束力はない。(ジュネーブ=吉武祐) 
朝日新聞 2019年6月6日

■放送法4条
放送事業者が国内外で放送する番組の編集について定めた条文。
(1)公安及び善良な風俗を害しないこと
(2)政治的に公平であること
(3)報道は事実をまげないですること
(4)意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること――を求めている。

        *

◆関連記事
【国連人権理】5年ぶり審査で日本の「報道の自由」に懸念
 →「報道の自由が深刻に脅かされている」