※そもそも異例の早期保釈に加え、東京地裁に「平日の滞在場所の制限なし」「一泊二日の旅行許可」「事実上、海外との通信も可」という抜け道だらけの条件を認めさせた時点で弁護側も今回のような事態は予測できたはずです。

 旅券携帯義務は司法判断で免責されるにもかかわらず、「旅券不携帯で入管難民法違反になるから」と詭弁を弄し、「鍵付きケースに入れたパスポートを携帯させ、弁護士が鍵を預かる」という裏技を駆使した挙句、今になって「その事実を失念していた」としらじらしい言い訳をしても、重要犯罪容疑者に逃亡機会を与えた責任は免れないでしょうね。

 レバノン政府、被告、被告の妻が逃亡計画を立て、フランス資本が入っている関空内の管理会社が逃亡を支援、退役軍人(元グリーンベレー)が運営する警備会社が逃亡幇助の実行犯という構図であると思われますが、日本の主権を侵害する国家的法益にかかわる犯罪に対し、日本政府がどのような対応を見せるのか注目されます。 *

ゴーン 国際手配(赤手配書)
日産自動車前会長 ゴーン被告国際手配

 ◇国際刑事警察機構により赤手配書にて国際手配=2020年1月2日

 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)について、東京地裁が昨年5月に弁護側の請求を受け、フランスから発行された旅券の携帯を許可していたことが2日、関係者への取材で分かった。東京地検は海外逃亡の恐れが高いとして反対していた。地検はレバノン入国の際、地裁が携帯を許可した旅券が使われた可能性もあるとみて調べている。

赤手配書=引き渡し又は法的措置を目的として、被手配者の所在の特定及び身柄の拘束を求めるもの

Global Express
逃亡(トルコ→レバノン間)に使われたボンバルディアのチャレンジャー300機

 地裁は昨年4月、海外渡航を禁止し、所持する全ての旅券を弁護士に預けることなどを条件としてゴーン被告の保釈を許可。弁護団はゴーン被告が国籍を持つレバノン、フランス、ブラジルの3カ国が発行する旅券を預かっていたという。

 ◇地検は海外逃亡を懸念し反対 弁護側が地裁に条件変更を請求

 関係者によると、弁護側は昨年5月、「旅券不携帯で入管難民法違反になる」として条件変更を地裁に請求。地検は海外逃亡の恐れが高いとして反対意見を出したが、地裁は2冊あるフランスの旅券のうち1冊を鍵付きケースに入れて携帯し、鍵は弁護団が預かるとの条件で請求を認めた。

 弁護団の弘中惇一郎弁護士は逃亡発覚直後、全ての旅券は預かったままだと明らかにしたが、2日、「地裁と協議して鍵付き旅券を所持していた経緯を失念していた」と釈明した。

 日本出国の際は不正な手段が使われた疑いが強く、この旅券が使われた可能性は低いとみられるが、レバノン政府当局者は、フランスの旅券で合法的に入国したとしており、この旅券が使われた可能性がある。

 裁判所関係者は「保釈中の外国人に条件付きで旅券の携帯を認めることは通常の措置。今回は日本の法を破って出国したという極めて特異な事例だった」と説明。ある検察幹部は「旅券携帯義務は司法判断で免責されるもの。裁判所の判断が甘かった」と話した。
産経新聞 1/2(木)

レバノン政府の関与
門田隆将 @KadotaRyusho

 ◇レバノン政府の関与濃厚に アウン大統領、ゴーン被告保護を約束

 【ベイルート時事】日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が国籍のあるレバノンに無断帰国した問題で、レバノン政府が逃走劇に関与した疑いが濃厚になっている。アウン大統領はゴーン被告に「レバノン市民としての保護」を約束し、昨年12月30日に帰国を果たした直後、本人に面会したと報じられている。

 英紙インディペンデントのアラビア語版は1日、政府関係筋の話として、ゴーン被告の脱出計画について「レバノンの治安、政治関係者が少なくとも(実行される)数週間前には把握していた」と報じた。地元テレビのアルナシェラによれば、ゴーン被告がベイルートの空港に到着した際、被告に「近い友人ら」が出迎えた。この後、被告は大統領と非公式に面会した。

ゴーン邸 レバノン
レバノンのベイルートにあるカルロス・ゴーン被告の自宅

 ただ、レバノン政府は、ゴーン被告の日本脱出への関与を公式には否定している。大統領府高官は2日、AFP通信に対し「ゴーン氏は大統領府に来ていないし、大統領に会ってもいない」と改めて強調し、相次ぐ報道にいら立ちを示した。レバノン外務省筋は取材に対し、ゴーン被告について「合法的に入国した」と話している。
時事ドットコム 2020年01月02日

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