武装すり団
「すりというより強盗に近い」

 約10年前に首都圏を中心に犯行を繰り返した「韓国人武装すり団」の元メンバー2人が日本に再入国し、5月に大阪市内でバッグを盗んだとして窃盗容疑で逮捕されていたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。2人は西日本各地で複数の窃盗事件に関与した疑いがあり、大阪府警が関連を慎重に捜査している。

 捜査関係者によると、2人はいずれも韓国籍で住所不定、無職の金上煥(キム・サンファン)(49)と李橿●(=日へんに文)(イ・カンミン)(54)の両被告=いずれも窃盗罪で起訴。2人は大阪市西区のショッピングモールで5月、女性のバッグを盗んだとして、6月10日に府警に逮捕されていた。

催涙スプレー

 2人は過去に武装すり団に所属。金被告は3月に日本に密入国したという。

 大阪府河内長野市の郵便局では、4月に強盗致傷事件が発生。他人の通帳から現金を引き出そうとした男が局員にスプレーを吹き掛けて逃走した。通帳は直前に同市内のスーパーで置引されており、防犯カメラには4人組が写っていた。

武装すり団 手口

 武装すり団はナイフや催涙スプレーを使った荒っぽい手口で知られ、東京都荒川区のJR西日暮里駅では平成18年、警察官にメンバーが催涙スプレーを噴射し、約30人が手当てを受ける事件も起きていた。
産経新聞 2015.7.22

■武装すり団
 主な手口は、武器を持って鉄道の車内で乗客を集団で取り囲み、金品を奪い取り、被害者にばれそうになると武器を使用し逃げるというもの。
 1990年に大阪で開催された国際花と緑の博覧会で観光客にまぎれて大挙して入国して活動が始まり、日本各地で被害が続出した。
 実行役や見張り役に分かれて組織的に動き、刃物でバッグを切り裂いて財布を盗むなどの手荒な手口が目立った。

 2004年ごろから東京都内で武装スリ団による被害が急増した。使われる武器はナイフ、電撃銃(スタンガン)、催涙スプレーなどである。
 武装していると銃刀法に違反して逮捕されやすいことから、2005年ごろから武装しないすり団が増えている。