新たに664人の感染確認 緊急事態解除後で最多

新経済連盟 三木谷浩史

 ◇新経済連盟、「Go To トラベルキャンペーン」の延期申し入れ 

三木谷会長がTwitterで批判も
 新経済連盟は、「Go Toトラベル事業の延期に関する緊急申し入れ」を、7月18日、政府に対して行ったことを明らかにした。

 代表理事で、楽天の三木谷浩史会長は、Twitterに7月17日、「流石にGoToは、感染が落ち着いてからにしないと行けないと思う。政府は、これを決定したタイミングではこのように陽性患者が急増するとは想定していなかったはずなので、臨機応変な対応をして欲しい」と投稿。

三木谷浩史

 ユーザーから、楽天トラベルのトップページに「Go To トラベルキャンペーン」について掲載していることを指摘されると、「現場には現場の判断があるとは思いますが、再考するようにお願いしました」と返信していた。

 現段階で、楽天トラベルのトップページには、「Go To トラベルキャンペーン」についてのバナー等は掲載されていない。

 申し入れでは、「現在、感染者数が急増するなど予断を許さない状況であり、このままGo Toトラベル事業を行った場合、医療崩壊してしまう地域がでる可能性が危惧されます。国民の命を守るためにも再検討いただきたく申し入れ致します」として、支援措置の継続や事業の延期、新しい施策の設計を求めた。

楽天は、「Go To トラベルキャンペーン」の事務局を受託するツーリズム産業共同提案体の協力企業の1社。
TRAICY 2020年7月18日

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国交相 赤羽一嘉
赤羽一嘉国交相(公明党)

 ◇東京除外でGoToキャンセル殺到 業者悲鳴「なぜ東京だけ」「致命的」

 旅行需要喚起策「Go Toトラベル」事業は東京都だけを外してスタートすることになった。旅行ツアーでは早くもキャンセルが相次ぎ、混乱が広がる。

 「やっとここからって時に……残念です」

 旅行会社「四季の旅」(東京都)では16日夕方から17日にかけ、予約キャンセルの電話やメールが殺到した。同社のツアーの95%は東京発着で、会員約6万人の約7割は都内在住者。大半のツアーや旅客が対象から外れるという。

●GoToトラベル支援金
GoToトラベル支援金

 2月下旬以降はツアーを全て中止し、緊急事態宣言解除までの約3カ月間の売り上げは前年比99%減に落ち込んだ。宣言解除後は少しずつ旅行客も戻り始めたが、それでも前年の7割程度。「Go To」効果に希望を託し、夏の巻き返しを目指して多くのツアーを用意していた。

 土屋俊一代表(48)は「感染者が急増している中、大切なお客さんに『それでも旅行に行ってください』とは言いにくい。会社としては苦しいが、今はこれで良かったのかなって言い聞かせている」と苦しい胸の内を明かした。

GO TO トラベル

 旅行業者などが加盟する「東京都旅行業協会」の植竹孝史専務理事(67)によると、加盟社からは16日以降、「なぜ東京だけなんだ」「この先どうしたらいいんだ」という問い合わせが相次いでいるという。
 植竹専務理事は「都内の旅行業者にとっては致命的な状況。弱り切っている」と話す。

 植竹専務理事は団体旅行を中心に手がける「関東観光社」(東京都)の代表も務める。
 同社には夏場の予約キャンセルだけでなく、秋以降の予約も「保留させてほしい」との連絡が寄せられている。「希望が打ち砕かれました。9~11月は団体旅行シーズンでかき入れ時。いつ収束するのか不安で仕方ない」とため息をつく。

公明党 山口那津男
山口那津男氏「

習氏の国賓来日《努力》を 



 ◇観光地「大きな損失」「国はきちんと説明を」

 東京からの客を期待していた地方の観光地もショックは大きい。

 一番のかき入れ時を迎えるはずだった長野県軽井沢町。17日に通常営業を再開したばかりの「旧軽井沢ホテル東雲」の予約担当者は、「1週間ほど前には殺到していた申し込みが鈍り始めた」と明かす。
 お盆の時期の宿泊予約も7割程度。「夏になれば感染が収束すると考えていたが、また目に見えて増え始めた。感染動向や国の動きを見守っていくしかない」

 観光客の行き交う「軽井沢銀座」で餅やかき氷が人気の「ちもと総本店」も来店客が例年の1割ほどに。従業員の女性は「キャンペーンに関する報道は日々状況が変わっていく。国には早くきちんとした知らせを出してほしい」と訴えた。

 国内外から年間130万人が訪れる北海道登別市の温泉街。その予約販売を受け付ける「野口観光札幌営業所」の野口晶弘・営業副本部長(38)は「多くの消費者を抱えるマーケットが除外されるのは大きな損失だ」とこぼす。

 空の玄関口、新千歳空港から車で約1時間というアクセスの良さから、東京からの観光客も多い。それだけに野口さんはショックを隠しきれない。

「東京の感染状況を見ると、仕方ない」と理解も示す一方、政府の対応について「ネット予約では(客の)住所を確認するのは難しく、東京からお客様が来た場合の対応も不明。キャンペーンに関し、情報が少ない」と不満を漏らした。【斎川瞳、李英浩、源馬のぞみ】
毎日新聞 2020年7月17日

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