◇言論統制に屈しなかった「1月も2月も稼働は好調で過去最高の業績」
◇「知名度アップ」で 驚異の利益率33%
3月3日、ビジネスホテル大手アパホテルは「東新宿 歌舞伎町東」を開業した。
これで新宿エリアには5棟目の開業となる。さらに2020年までに4棟を開業し、9棟3141室体制にする計画を立てる。
会見したアパグループの元谷外志雄代表は「新宿駅は世界最大の乗客数を誇り、歌舞伎町は世界最大の歓楽街。
すでに既存のホテルは月間100%の稼働率だ」と満足そうに語った。
客室には元谷外志雄代表の著書や手掛ける雑誌が並んでいる(記者撮影)
会見前に行った内覧会で客室を見ると、1月下旬に問題となった『理論 近現代史学2』は引き続き置いてあった。
書籍問題について元谷代表は「影響はない。1月も、2月も稼働は好調で過去最高の業績」
「今やヒルトンやシェラトン並の知名度になった。いずれ何のことか忘れても(アパの)名前は頭に残る」と意に介さない。
◇中国人客は激減したが・・・ 元々5%程度の予約で影響なし
元谷代表によれば、アパはそもそも団体客の予約をほとんど受けておらず、外国人は総宿泊者数の20%程度、 中国人は5%ほど。
「大陸からの予約は激減したが香港や台湾からの顧客が増えている」という。
「大陸からの予約は激減したが香港や台湾からの顧客が増えている」という。
「雨後の竹の子のように、アパホテルが増えた」――と全国紙に表されるほど、都内にアパホテルが急増している。
リーマンショック後の不動産価格の下落や低金利を追い風に、 アパグループが首都圏への開業攻勢「サミット5」を始めたのは2010年のこと。
東京都心部の直営ホテル数は、2010年以前の6ホテルから、現在41ホテルにまで拡大。
◇2020年までにさらに24ホテルの開業を予定
拡大のスピードのみならず、業績も好調だ。これまでほとんど業績を明らかにしてこなかった同社が2月17日、 唐突に2016年11月期決算を公表した。
売上高1105億円(前期比21.4%増)、営業利益は371億円(同16.1%増)。
中核のホテル事業に限っても、売上高787億円、営業利益は305億円だった。
これは同業の東横インやシティホテルの帝国ホテル、国内最大手のプリンスホテルグループを上回り、圧倒的な水準だ。
利益率33%という収益性の高さはどこから来るのか。元谷代表によれば、「東京都心に重点進出したこと」と語る。
東洋経済ONLINE
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