ヘイトスピーチ(憎悪表現)を規制する大阪市の条例は憲法で保障された「表現の自由」を侵害し違憲だとして、市民8人が市に対し、条例に基づき支出された公金の返還を求めた住民訴訟の判決が17日、大阪地裁であった。

 三輪方大(まさひろ)裁判長は、条例による表現の自由の制限は「公共の福祉のため容認される」として合憲との判断を示し、原告側の訴えを棄却した。

徳永信一
原告側代理人の徳永信一弁護士(右)

 原告側代理人によると、ヘイトスピーチ規制についての憲法判断は全国初。大阪市は国のヘイトスピーチ解消法に先駆け、平成28年から独自の抑止条例を施行しており、ヘイトスピーチだと認定した表現活動について削除要請や表現者の氏名公表などの拡散防止措置を実施している。

 判決理由で三輪裁判長は、条例で規制することは一定の表現活動の抑止につながり「表現の自由を制限する」と言及。

 だが、ヘイトスピーチが拡散することで特定の人種や民族への差別意識をあおり、誹謗中傷や暴力行為に進展することも容易に想定されるとし、「規制を必要とする程度は高い」とした。

 ◇原告側は「定義が曖昧で表現活動の萎縮を招く」として控訴へ

 その上で、条例に基づく拡散防止措置は(事前の差し止めではなく)表現活動の後に行われ、有識者審査会へ諮問されていることなどから、「公共の福祉のため、合理的で必要やむを得ない限度の制限」だと結論づけた。

 原告側は「定義があいまいで、表現活動の萎縮につながると主張してきたが判決は踏み込まなかった」として、控訴する方針。松井一郎市長は合憲判断を歓迎し、「生まれや国籍で人を否定する表現はなくなるべきだ」と述べた。
産経新聞 2020/01/17

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