syria-id

【ベイルートAFP=時事】
 在英のシリア人権監視団によると、シリア北西部イドリブ県で8日、空爆があり、子供5人を含む民間人18人が死亡した。
  アサド政権を支援するロシア軍機が攻撃したとみられるという。
  イドリブ県は反体制派が支配し、アサド政権とロシアが空爆を継続している。
イドリブ県の別の町では先に化学兵器使用疑惑が浮上。
 米軍は対抗措置として7日、アサド政権に対して初めてミサイル攻撃を実施した。
時事通信

usa
 
 ◇ シリア攻撃 米正当化、ロシアは「侵略」と非難

 アメリカがアサド政権に対して初めて行ったシリア空軍基地への攻撃。
 ホワイトハウスの報道官は、攻撃を最終決定するまでNSC=国家安全保障会議を重ねたと説明。
 また、着弾したころに関係各国や上下両院に状況を連絡したとして、攻撃は正当な手続きを踏まえて行われたと強調しました。

 「6年もの間(米政府は)アサド政権に対して何も行動を起こしてきませんでした。トランプ大統領の行動に感謝します」(アメリカに移住したシリア難民)

 一方、シリア政府軍は、軍の幹部が攻撃された基地を訪れ、被害の状況を確認する映像を公開しました。幹部は兵士たちにテロに対する戦闘態勢を維持するよう指示したということです。

 政府軍は攻撃による死者は6人と発表しましたが、シリア国営メディアは、「アメリカの攻撃で4人の子どもを含む9人の市民が死亡した」とも伝えています。

 「昨夜のアメリカによる空爆は計画的なものだ。さらなる行動の準備はあるが、不必要なことを願う」(アメリカ ヘイリー国連大使)

 攻撃を受けて開かれた国連安保理の緊急会合で、アメリカのヘイリー国連大使は、さらなる軍事行動の可能性を示唆しました。
 これに対し、アサド政権を支えるロシアは、「アメリカの攻撃は国際法違反であり侵略行為だ」と強く非難しました。

 アメリカの空爆の根拠となった北部イドリブ県で起きた化学兵器によるとみられる攻撃。

 「現場は完全にパニックでした。このタイプの(化学)兵器の被害は初めてだったからです」(「ホワイトヘルメット」隊員 アマル・サルモさん)

 反体制派支配地域で活動する民間の救助団体「ホワイトヘルメット」の隊員は証言します。

 「被害者がおう吐したり、呼吸困難になったり、口から泡を吹いたりするのを見ました」(「ホワイトヘルメット」隊員 アマル・サルモさん)

 しかし、隊員によると、7日も「ホワイトヘルメット」の隊員1人が攻撃で死亡していて、アメリカ軍の空爆後もシリア政府軍の攻撃は止んでいないということです。(08日16:07)
TBS系(JNN)


◆関連記事
【シリア】米軍、アサド政権の関連施設に巡行ミサイル発射=59発 飛行場標的
 →地中海状の駆逐艦2隻から巡行ミサイル「トマホーク」が発射され、59発着弾。滑走路、航空機(20機)、燃料設備を破壊。

        *

 ◇シリア航空機20機を破壊=ミサイル失敗1発だけ―米軍

 【ワシントン時事】
 米軍当局者は7日、シリア中部のシャイラト空軍基地に対する6日の攻撃について、巡航ミサイル「トマホーク」59発が着弾し、「20機ほどの航空機を破壊したほか、狙った格納庫を全て破壊または損壊したと報告を受けている」と明らかにした。
 
 同当局者によれば、破壊したのはロシア製の固定翼機だが、機種は不明。
「(ミサイル)60発を撃ったが、1発は失敗した」という。

 また、別の当局者は、シリア北西部イドリブ県ハンシャイフンで多数の死傷者を出した化学兵器によるとみられる4日の攻撃について、シャイラト基地を飛び立った航空機が実行したのは確実だとの見方を示した。 
時事通信


[米軍のミサイルによって破壊されたシャイラト基地]
syria

syria