※NHKスペシャル「キム・ジョンウンの野望1」より
~1年前に書かれた、ある北朝鮮幹部脱北者(故人)のメモ~

「キム・ジョンウン氏は核ミサイルで世界中を脅したあと、180度転換して平和外交を始める……」
 この元高官の予言は的中。北朝鮮は突然対話路線に転換し、3月、習近平中国国家主席を電撃訪問、さらにトランプ大統領と金正恩氏による史上初の「米朝首脳会談」が実現しようとしています。

 ◇「朝鮮半島に積極関与すると、周辺諸国の外交軍事戦略に巻き込ま れる」

「核・ミサイルの能力を見せつけて、金正恩は狂気の人間だと思わせ、世界が戦争を恐れたタイミングで突然平和を打ち出して来たらどうなるか。各国の政治家、ジャーナリスト、専門家、あらゆる人々が対話の餌に飛びつき、金正恩の戦略に巻き込まれるだろう」(上記高官のメモ)

 いずれにしても日本は表向きは「蚊帳の外」の立場であると思わせつつも、警戒を怠ることなく、北朝鮮に対する圧力、制裁維持において日米の緊密な連携をとっていくことが重要であると思われます。

金正恩

【ソウル時事】
 北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会が20日、開かれ、21日から核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射を中止し、北部の核実験場を廃棄することを決定した。

 また、朝鮮半島の平和と安定に向け、周辺国や国際社会と緊密に連携、対話していく方針を打ち出した。朝鮮中央通信が21日、伝えた。

 金正恩党委員長は、核開発と経済建設を同時に進める「並進」路線について、「国家核兵力の建設が完璧に達成され、貫徹された」と宣言。

「今や、いかなる核実験も中・長距離、大陸間弾道ミサイルの試射も必要なくなった」と強調し、社会主義経済建設に総力を集中する新たな戦略路線を表明した。

 南北、米朝首脳会談を控え、核・ミサイルの開発を進める路線を転換する姿勢を明確にした形だ。

 「並進」路線は2013年3月の中央委総会で採択された。昨年10月の中央委総会で金正恩氏はこの路線を揺るぎなく推進し、「国家核兵力建設の歴史的大業を完遂させる」と強調していた。
時事ドットコム 4/21(土) 

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