※先日、脱北して亡命を図った元北朝鮮高官が亡くなる直前(1年前)に残したメモが現在の状況を予言していたと話題になりましたが、今回の会談中止をちらつかせた脅しもこの高官の予言通りになっているようです。

 金正恩はまず核ミサイルで世界を震撼させる狂気の人間を装い、戦争を恐れた国際社会が警戒、経済的締め付けを強化したタイミングで突然平和路線を打ち出し、「対話」を餌に金体制の維持を約束させ制裁緩和と経済支援の約束を引き出す。

 金正恩は、核保有国として認めさせることと同時に経済建設を押し進めるという「併進」路線(2013年採択)を崩す気はなく、祖父・金日成による建国以来の悲願であった核という宝剣を手にする一方で、「第二の建国の若き指導者」という神話をつくり上げるという野望の下、着々とシナリオを進めているのです。

 おそらく、このまま休戦協定の日(7月27日)の直前まであれこれと時間稼ぎをして北朝鮮優位のバランスを保ちながら最大限の譲歩を引き出したうえで平和協定を結び、真の「戦勝記念日」にしようと目論んでいると思われます。

■「朝鮮戦争休戦協定」(1953年7月27日)=北朝鮮ではこの日を国家の10大節日の1つとして「戦勝記念日」と規定している。

tk

 ◇「非核化拒絶なら、最大限の圧力をかけ続ける」サンダース大統領報道官

 トランプ米大統領は16日、北朝鮮が米朝首脳会談の再考を警告したことについて、記者団に「まだ何も知らされていない。注視する必要がある」と述べ、北朝鮮側の出方を見守る考えを示した。
 
sa サンダース大統領報道官は同日、FOXニュースのインタビューで米朝首脳会談に関し「開催されることに期待を抱いているし、引き続きその方向に進む」と述べた。
 また、会談を通じた非核化を拒絶するなら「われわれは最大限の圧力をかけ続ける」とけん制した。

 サンダース氏は、北朝鮮が会談中止をちらつかせて脅しをかけてくることは「完全に想定していた」と指摘。
 米朝首脳会談に向け「厳しい交渉への備えはある」と語り、今後の調整が難航する可能性も視野に入れていることを明らかにした。【ワシントン時事】
時事ドットコム 5/17(木)

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