【カイロ時事】
 在英のシリア人権監視団によると、シリア北部アレッポ郊外で15日、包囲下の町から脱出する住民を乗せたバスの車列の近くで自動車爆弾がさく裂し、少なくとも126人が死亡した。
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 ◇死者には子供68人、女性13人が含まれている。

 犠牲になったのは、主にアサド政権を支持するイスラム教シーア派の人々。
 シーア派を「背教者」とみなす過激派組織「イスラム国」(IS)などによるテロの可能性が高い。

 現場では、犯人がライトバンを運転してバスの車列に接近し、自爆したという。支援物資の運搬を装っていたとの情報もある。事件をめぐっては、救護活動を行う「シリア民間防衛隊」もこれより先、「100人が命を落とした」と発表していた。

 AFP通信によれば、反体制派が包囲する二つの町から逃れるため、住民5000人以上がバスを使い、政権の支配下にあるアレッポなどに移動する途中だった。人権監視団の情報では、犠牲者のうち98人が町から移動してきた人々。バスの警備に当たっていた反体制派の治安要員らも命を落とした。

 住民の移動は、アサド政権を後押しするイランと、反体制派を支持するカタールの仲介によるもの。
 別の地域では、政権側に包囲された反体制派支配下の二つの町から約2200人が脱出を始めていた。
 しかし、これに滞りがあったことから反体制派が反発。政権側の町から出た人々を、アレッポに到達する前の同派支配地域で待機させていたという。 
時事通信4/16(日)