※子供の虐待死事件報道が後を絶ちませんが、毎回、「酷い」とか「かわいそう」とワイドショーやネットで飽きるまで消費され、やがて忘れられて終わるというのが現状です。
 子供を虐待から守るために親から引き離すにしても、子供を施設で一時的に保護するだけでは問題を先延ばしにするだけで解決には至らず、逆に巧妙な隠ぺい工作がなされて生命の危険にまで発展するケースも少なくありません。

 虐待に対し厳しい刑罰を設け、子供を保護すると同時に虐待する大人を逮捕拘留し、カウンセリングや精神鑑定を行ったうえで更生施設での監察や入院・治療を義務付けるような法整備が必要ではないかと思います。 *

常慶雅則 常慶藍

 ◇三男の唯雅(ゆいが)ちゃん、顔を含む全身数十か所に丸い傷跡

 6日逮捕された田川市の県営団地に住む常慶(じょうけい)雅則容疑者(24)と妻の藍容疑者(24)。去年11月、当時まだ1歳の三男の唯雅ちゃんをライフル式のエアガンで何度も撃ち、全治3週間のけがをさせた疑いがもたれています。

 事件が発覚したのは、去年12月。
 妻の藍容疑者が自宅の寝室で呼吸が止まっていた唯雅ちゃんに気づき、消防に通報。しかし、唯雅ちゃんはまもなく死亡が確認されました。死因は肺炎でした。

エアガンで1歳の息子を銃撃 
常慶雅則容疑者にエアガンで何十発も撃たれた唯雅ちゃん(当時1歳)

 ◇常慶容疑者「エアガンは長男が撃った」 ⇒長男の証言「パパが撃った」

 当時、警察の任意の調べに雅則容疑者は「撃ったのは当時3歳の長男」と説明していました。
 しかし、警察は10カ月以上にわたる捜査の結果、3歳の子がライフル式のエアガンを撃ち、全身に傷を負わせるのは不可能で、夫婦による犯行と断定し2人を逮捕しました。
 共に、「エアガンを撃ったことはない」などと容疑を否認しています。

1歳の息子をエアガンで銃撃
田川市伊加利の県営住宅

 しかし、近所の人は、
「男の子の泣き声がしょっちゅう聞こえた。怖かったですね。大きい声で」
「1回見たことあるんですよ、ここで怒っているのを。激しかったですね。怖い、こんなママかと思った」
 などと話しています。

 事件が起きる前の去年1月、長男の右頬がはれているなどと、家庭内での虐待を疑わせる情報が児童相談所に寄せられました。
 田川児童相談所が訪問し、藍容疑者から聞き取りを行ったものの、虐待の事実は確認できなかったといいます。

 また、田川市にも「部屋から子どもの声がしない」などと近所の住民から相談があり、家庭を定期的に訪問していたといいます。

虐待死 エアガン

 田川市の担当者は、
「電話で連絡するがなかなか連絡がとれない。数回連絡して連絡が取れる、こんな感じだった。家庭訪問しても会えないこともあった」
「夫婦が逮捕されたのは事実なので、今後検証する必要がある」などとしています。

 警察は、自宅から複数のエアガンを押収するとともに、唯雅ちゃんの死と虐待との関連など、事件の詳しい経緯を調べています。

田川市伊加利

 ◇エアガンを数十発発射 唯雅ちゃん、全治3週間のケガ

 同い年の夫婦は、11月6日に傷害の疑いで逮捕された。事件の被害者は実の我が子だった。
 事件は、福岡県田川市伊加利にある県営団地の一室で起きた。

 警察の調べによると、2018年11月下旬、夫婦2人は当時1歳だった三男の唯雅ちゃんに向け、エアガンを数十発発射。全治3週間のケガをさせた疑いが持たれている。
 事件が発覚したのは2018年12月1日。藍容疑者からの「就寝中の息子が息をしていない」という119番通報がきっかけだった。

押収されたエアガン

 駆けつけた救急隊員が目にしたのは、唯雅ちゃんの体に残る複数の傷痕だった。

 丸いあざのような傷跡は、顔を含めて全身数十か所に及んでいたことから、消防は警察に通報。唯雅ちゃんは病院で死亡が確認された…死因は肺炎だった。

近隣住民:
「ママとパパの子どもと遊ぶ姿も(見たこと)ないし。暗い…明るい家庭じゃない」

 事件当時、容疑者2人は長男、死亡した三男の唯雅ちゃん、長女の5人で暮らし。次男は2016年に病死したとされ、事件後の2019年7月には次女が生まれたという。

常慶雅則容疑者の知人:
「(子どもを)ひとり抱っこしていて、ひとり一緒に歩いていました。(容疑者2人は)無表情」

 常慶雅則容疑者は、任意の捜査段階で「エアガンで撃ったことはない。長男が撃った」と、唯雅ちゃんをエアガンで撃ったのは当時3歳の長男などと供述。逮捕後の調べでも容疑を否認している。

しかし、押収されたのは片手でも扱えるピストル型ではなく、両手を使うため小さい子どもでは扱うのが難しいライフル型だった。

 ◇長男にも虐待か「顔が腫れている」と児童相談所に通報

 さらに、その長男への虐待についても新たな疑惑が浮上している。
 2018年1月、田川市の児童相談所に「長男の顔が腫れている」という通報が寄せられていたことが分かった。
 この時、両親2人は「走り回っていてぶつけた」と説明したため、児童相談所は虐待ではないと判断。

わが子をエアガンで銃撃

 この長男に関する通報から約10ヵ月後、常慶雅則容疑者と妻の藍容疑者は、エアガンを数十発発射し、三男の唯雅ちゃんにケガをさせたとみられている。
 警察は日常的な虐待がなかったか、唯雅ちゃんが死亡した経緯を含めて調べを進めている。
「Live News it!」11月7日放送分より
FNN 2019年11月7日