栗城史多(くりき・のぶかず)
栗城史多旧オフィシャルブログより

【ニューデリー=森浩】世界最高峰エベレスト(8848メートル)登頂を目指していた登山家の栗城史多(くりき・のぶかず)さん(35)が21日、遺体で発見された。栗城さんの所属事務所が発表した。在ネパール日本大使館も死亡の事実を確認した。

 栗城さんは「無酸素」「単独」でのエベレスト登頂を目指しており、今回は8度目の挑戦だった。2012年の挑戦では、凍傷で手の指9本の大部分を失っていた。

 栗城さんのフェイスブックなどによると、栗城さんは12日にエベレストのベースキャンプを出発。
 21日に体調不良で下山することが報告されており、その過程で死亡した可能性がある。
産経ニュース 2018.5.21

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栗城史多オフィシャルブログ

栗城史多(くりき・のぶかず)栗城事務所の小林と申します。

このようなお知らせになり大変申し訳ございませんが、エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました。

下山を始めた栗城が無線連絡に全く反応しなくなり、暗い中で下から見て栗城のヘッドランプも見当たらないことからキャンプ2近くの撮影隊が栗城のルートを登って捜索し、先ほど低体温で息絶えた栗城を発見いたしました。

生きて帰ることを誓っておりましたのに、このような結果になり大変申し訳ございません。

生きて帰るため執着しないと誓っておりましたのに、最後に執着してしまったのかもしれません。

皆様へのご報告が遅くなりなりましたこと、心よりお詫び申し上げます。

何m地点で発見されたかなど、これ以上の詳細が日本でわからず大変恐縮ですが、またわかり次第お知らせ申し上げます。

これまで栗城を応援していただき、本当にありがとうございました。

栗城事務所  小林幸子


---------------体調不良による下山報告の無線----------------

下山します
2018/5/21 10:01
(栗城中継班より)
栗城は体調が悪く、7400m地点から下山することになりました。

今後の行動は未定で、栗城が無事に下山して状況がわかり次第、お知らせいたします。

皆様からの応援、本当にありがとうございます。

kuriki
2012年の挑戦では凍傷で手の指9本の大部分を失った

【プロフィール】
■登山家:栗城史多(くりき・のぶかず)
見えない山を登る、全ての人達と冒険を共有する登山家。
1982年6月9日-北海道生まれ。
身長162センチ、体重60キロ。
大学山岳部に入部してから登山を始め、6大陸の最高峰を登り、8000m峰4座を単独・無酸素登頂。2009年からは「冒険の共有」としてのインターネット生中継登山を始める。
2012年秋季エベレストで重度の凍傷になり手の指9本を失うも、2014年8000m峰を単独無酸素で登頂し復帰。エベレスト単独・無酸素、生中継登山に挑戦!生中継を通し自分の山に向かう人を増やします。

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※筆者は新田次郎さんの山岳小説が好きでよく読んでいますが、ここ最近は日本人6人がアイガー北壁の「赤い壁」直登ルートを開いた時の実話をもとにした『銀嶺の人(下巻)』を読んでいたところだったので、先ほどツイッターで栗城さんのこのニュースを知って、残念な思いでいっぱいです。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
合掌