米朝首脳会談 サイン
どこか気もそぞろな金正恩氏と合意文書にサインするトランプ大統領

 ◇「金正恩の手は震えていた」

 朝鮮半島の非核化に合意した今月12日の米朝首脳会談から2週間近く経過したが、非核化の具体的手順に関する北朝鮮側との実務者協議が開始されたとの公式発表はない。
 会談後の記者会見でトランプ米大統領は「週内にも協議を始める」としていたが、北朝鮮が早くも交渉の引き延ばし戦術に出ているとの指摘もある。

共同声明 ポイント

 トランプ氏と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が12日に署名した共同声明は、両首脳の合意項目を実行に移すための実務協議の責任者として、米側は「ポンペオ国務長官」の名を明記。
 一方、北朝鮮側は「担当高官」との表現で、担当者を特定していない。

 ◇北朝鮮軍部のトップ層、対米交渉で穏健派と強硬派が対立

李容浩
 米国務省のカウンターパートである北朝鮮外務省のトップは李容浩(リ・ヨンホ)外相(右)だが、トランプ氏に金委員長の親書を届けるなど事前交渉で中心的役割を果たした金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長(下)が、今後も対米交渉を率いるとの見方が広がっている。

 ◇軍部の不満を金正恩氏が恐れている状況が表面化

金英哲 外交関係者によると、現時点で北朝鮮から米国に対し協議代表団の陣容について連絡はなく、「交渉入りできない状況」という。
 北朝鮮内で今後の方針に関して路線対立があるという観測も出ている。

 首脳会談後、米韓両国は定例の合同演習を中止。
 北朝鮮側による朝鮮戦争(1950~53年)の戦没米兵の遺骨収集・返還作業が開始されるなど、米朝間の信頼醸成プロセスは一定の進展を見せているものの、非核化達成に向けた交渉は「北朝鮮ペース」で進み、長期化する可能性がある。

 ポンペオ氏は23日に放映された米MSNBCテレビのインタビューで「米朝双方がレッドライン(越えてはならない一線)を理解していることが、これまでと違う」と述べ、非核化協議の進展に自信を見せたが、首脳会談後の北朝鮮との接触に関して具体的な言及はなかった。[ワシントン高本耕太]
毎日新聞 6/24(日)

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