瀬取り

 ◇「ロシアが継続して広範囲に関与」

 国連安全保障理事会は17日午前(日本時間17日深夜)、北朝鮮に関する緊急会合を開いた。
 開催を要請した米国のニッキー・ヘイリー国連大使は、公海上で積み荷を移し替える「瀬取り」による石油精製品の密輸に関し、「米国は1~8月に少なくとも148回確認し、北朝鮮が得た総量は80万バレルに上る」として制裁決議が定めた年間50万バレルの上限を大幅に上回っていると指摘した。

 ヘイリー氏は、ロシアの「パトリオット」という名前の船が瀬取りに関与したとして「ロシアが継続して広範囲に違反に関与した証拠を米国は持っている」と述べた。
 ロシアが北朝鮮への制裁緩和を求めていることを非難し、「非核化の実現まで制裁を緩めてはならない」と強調した。【ニューヨーク=橋本潤也】
読売新聞 9/18(火)

瀬取り

●北朝鮮の瀬取りの手口――石油だけではなく石炭も
・公海上で横付けした2隻をホースでつなぎ、石油精製品などを積み替えるのが主流。
・北朝鮮産の石炭をクレーンを使って小型船に積み替える。(北朝鮮制裁委員会)
     
        *

◆関連記事
【国連】ロシアが国連の北朝鮮制裁報告書から「ロシアの対北石油輸出は制裁決議違反」を削除指示、米激怒 →巧妙な制裁回避に積極的に関与するロシア

【北朝鮮】中国が禁輸措置を取り、北への石油供給を止めるとどうなるか
 →北朝鮮では石炭の輸出が主要な外貨獲得源(大半が中国経由)

【外為法違反】北朝鮮へ不正輸出疑い 朝鮮総連関係先など捜索
 →朝鮮商工連合会、許宗萬議長の自宅など朝鮮総連の複数の関係先

「キャッチオール規制」月内にも実施 北朝鮮への制裁
→貨物船検査において検査リスト外の品目も検査できるよう厳格化-岸田外相

【国連安保理】「北朝鮮産の石炭など完全禁輸」決議案を採決へ
 →禁輸対象:(1)石炭(2)鉄と鉄鉱石(3)鉛(4)海産物

北朝鮮では石炭の輸出が主要な外貨獲得源
外貨獲得のために石炭を密輸