※国連を中心とした制裁も、ロシアや中国が抜け道をつけることによって決定的な打撃とはならず、アメリカが各国に国際金融からの排除を呼び掛けも大規模なサイバー攻撃を仕掛けて外貨を堂々と盗み取る北朝鮮には通用しません。
 中国も北朝鮮を制御しきれず、アメリカの軍事的圧力も結果的にただのパフォーマンスで終わってしまった。
 このままなし崩し的に核・ミサイル開発が既成事実化されてしまえば、北朝鮮の暴走を抑止するすべを持たない日本はアメリカだけが頼りという心もとない状態となります。
 アメリカの意向に関係なく、自前の核抑止力、核を持つという選択肢を真剣に考えるべきと考えます。

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5-14 北朝鮮は14日午前5時28分ごろ、西部の平安北道(ピョンアンブクト)亀城(クソン)付近から東北東に向けて弾道ミサイル1発を発射した。

 高度は2千キロを超え、約30分にわたって約800キロ飛行。
 日本の排他的経済水域(EEZ)外の日本海に落下したとみられる。

 北朝鮮は今回の発射で弾道ミサイルの発射能力を誇示し、核・ミサイル開発を続ける意思を示した形だ。

[官邸入りする河野克俊統合幕僚長]
kawano
 稲田朋美防衛相は14日、記者団に「新型ミサイルの可能性があり、高度2千キロを超えたのは初めて」と述べた。

 北朝鮮のミサイル技術は着実に進展しており、日米韓にとって脅威は高まっている。

 今回は角度を通常より上げて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で、飛距離を抑えたとみられる。

 ◇日本に向けて普通に撃てば8分程度で到達

 その半面、通常の角度で撃った場合はさらに飛距離が伸びることになる。
 日米韓は通常の軌道で撃った場合の飛距離などについて分析を続けている。
 首相官邸幹部は、「日本に向けて普通に撃てば8分程度で届いていた」と述べた。

 一方、ロフテッド軌道は落下速度が速く、迎撃が難しいとされる。日本では今後、弾道ミサイル防衛体制の見直しなどの議論が加速する可能性もある。
朝日新聞デジタル 5/14(日)

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 ◇北朝鮮ミサイル、30分間飛行 新型の可能性

 北朝鮮は日本時間の14日午前5時28分ごろ、北朝鮮北西部・亀城(クソン)付近から弾道ミサイル1発を発射した。
 日本政府が発表した。菅義偉官房長官によると、東北東の方向に約30分間、約800キロを飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)外の朝鮮半島東約400キロの地点に落下したと推定される。
 高度は初めて2000キロ以上に達したとみられ、稲田朋美防衛相は「新型の弾道ミサイルであった可能性がある」と述べた。

abe 政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。
安倍晋三首相は14日、首相官邸で記者団に「度重なる北朝鮮のミサイル発射は我が国に対する重大な脅威であり、国連の安保理決議に明確に違反する。北朝鮮に強く抗議する」と語った。首相は首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を断続的に開催した。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射は先月29日以来。通常より高い高度に打ち上げる「ロフテッド軌道」をとったとみられ、実際の射程は4000キロを超える可能性がある。その場合、米軍のグアム基地が射程に入る。

 政府高官は「北朝鮮のミサイル開発の技術レベルが上がっているのは間違いない」と述べた。米太平洋軍は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と飛行の特徴が「一致しない」とする分析を発表した。

 14日は中国が重視する経済圏構想「一帯一路」の国際首脳会議の開幕日。
 また、北朝鮮に融和的な姿勢を取る韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任直後のタイミングで発射に踏み切ったことから、中韓両国をけん制する狙いもあるとみられる。

 文氏は14日、ミサイル発射を批判し「対話は可能であっても、北朝鮮の態度に変化がある時に初めて可能になるということを示さなければならない」と述べた。同日朝のNSCで語った。

 また、岸田文雄外相は14日、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と電話で協議。
 岸田氏は協議後、記者団に「北朝鮮に圧力をかけていくことが必要だと確認した。重要なことは韓国新政権との間で緊密な連携を図ることだ」と語った。

 谷内正太郎・国家安全保障局長も米国のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と電話で協議した。日米韓3カ国の連携を確認し、北朝鮮に対する制裁の履行を各国に求める方針で一致した。
【田中裕之、松倉佑輔】
毎日新聞 5/14(日)

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 ◆専門家「ミサイルはムスダンか 発射成功と言える」

 今回の北朝鮮による弾道ミサイルの発射について、元海上自衛隊自衛艦隊司令官・海将の山崎眞さんは、「今回発射した弾道ミサイルの飛行時間は30分で、800キロ飛んだということは、上空1500キロほど上げないと、それだけの時間はかからない。

 ミサイルを通常より角度をつけて高く打ち上げる、ロフテッド軌道を用いたと見られる」と分析したうえで、「ミサイルはムスダンと推定され、今回の発射は成功したと言える」と述べました。

 そのうえで、「通常の角度で発射すれば、4000キロは飛行すると見られ、アメリカのグアム島に届く距離だ。

 北朝鮮がアメリカに攻撃できることを実際に証明したということだ」と指摘しました。
5月14日