※中国のりんごというと、北京で夕食後の散歩時に露店で真っ赤でつややかなりんごを一袋買い、ホテルに帰って皮を剥いてみたら、茶色くなっていたり虫食いが酷くて全滅だったことを思い出しました。
 まあ値段も日本円でひと山300円くらいで試しに買ってみたものだったので、そういうものかと思いましたが、後で考えてみて照明の加減に騙されたような気もしています。
 フリーマーケットで高価そうな盗品?を売りつけようという集団に付きまとわれたりしたこともありますが、習近平体制になる前の中国にはまだのどかな雰囲気があった気がします。最近の香港の様子などをみていて、中国本土はもちろんのこと、香港にももう二度と行くこともないだろうと思う今日この頃。 

◆超ハイテク監視国家・中国が拡散する悪魔の弾圧ツール
China’s Surveillance State
2018年以降、中国に一度でも入国した外国人は既にデータに組み込まれている。
中国全土で、公安機関が膨大な数の監視カメラを設置、データベースと携帯端末を駆使してリアルタイムで監視&データ収集。 *

黄王⇒王林
「黄王」を「王林」と表記して販売(9月、中国・上海で)

 中国・上海近郊の果物卸売市場で9月中旬、不思議な光景が広がっていた。
 偽の日本産リンゴが出回っているだけでなく、中国が輸入禁止しているはずの日本産リンゴが販売されている。現場を視察した、青森県の弘前大学・黄孝春教授が報告する。

◆実質禁輸のはずが… 日本リンゴ中国席巻 弘前大・黄教授報告

 市場では「王林」と表示した箱に入ったリンゴが販売されていた。10月末以降の収穫品種である「王林」が9月に出回るのは早過ぎる。果実のシールを確認すると早生の「黄王(きおう)」だった。箱に貼っているラベルには、フランス産で中国向け輸出と記されている。

 仲卸業者(上海)によると、人気が高く、卸売価格は1箱(36玉)800元(1元=約15円)と、数年前の約2倍になっているという。

 大玉で有名な品種「世界一」の偽物も、堂々と中国国内で販売され、海外に輸出されている。その正体は、遼寧省の瀋陽大学が育成した耐寒性の「寒富」だ。
 1玉当たりの平均果重は250グラムだが、最大では900グラムになる。同省の業者は、「世界一」の中国語発音)である「shijieyi」で、既に商標登録している。

 ◇産地・品種隠して流通 偽物も堂々販売 貿易上のからくり

 日中両国の交渉によると、日本産は2011年産以降、中国に輸出できないはずだ。
 東京電力福島第1原子力発電所事故を契機に、中国が日本産果実に対し、ストロンチウムなどの放射性物質検査証明書を求めているが、日本が認めず、両国合意に至っていない。そのため中国で輸入は実質、禁止となっている。
 しかし、日本の財務省貿易統計には輸出実績がある。

■中国向けリンゴの輸出量は検査強化で輸入量激減、現地は再開待望

 貿易統計によると、11年産(9月~翌年8月)の輸出は前年を下回ったものの、12年産からは3年連続前年を上回り、15年産は過去最多の1622トンが輸出された。
 背景には、両国の交渉内容が
(1)中国税関全体に周知されていない
(2)税関によって解釈が違う──などの可能性がある。

 風向きが変わったのは17年。
 中国では3月15日の「消費者権益日」の関連イベントで、食品安全の問題として日本の放射性物質が話題を呼んだ。当時は中国税関も検査を厳しくし始めており、日本産の輸出は16年産から前年を下回り、19年1~8月はゼロだった。

 相次ぐ日本産の偽物の横行や貿易ルールの違反の背景には、日本産を求める消費者ニーズの高さがある。
 世界の約半分のリンゴを生産する中国ではあるが、現地栽培が難しい大玉の「世界一」や外観がきれいな有袋「むつ」などの人気は高い。
 特にスーパーなどでは、外観が美しくサイズも大きい日本産を扱うことが、店舗のステータス向上につながるとしている。

 上海で04年から青森リンゴの輸入販売を手掛けているJCKの斉藤青雲社長は「世界一などギフト用リンゴ以外に、自家消費用の青森産リンゴ、特に黄色系の王林やトキが人気だ。それが輸出数字に表れている。両国政府の一日も早い合意を期待する」と話す。
 弘前大・黄教授報告
日本農業新聞  10/27(日)

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