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 ◇SNSで成り済まされない権利「アイデンティティー権」初認定

 インターネット上の掲示板に、自分になりすまして投稿され肖像権などを侵害されたとして、長野県在住の男性が大阪府枚方市の男性に723万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁(北川清裁判長)であった。判決は「社会的評価を低下させ、名誉権を侵害した」として被告側に130万円の支払いを命じた。

 判決などによると、2015年5月、被告は男性がSNS「GREE(グリー)」で使用していたプロフィル画像の顔写真や登録名を無断で使って男性になりすまし、GREEの掲示板に「お前の性格の醜さは、みなが知った事だろう」などと別の利用者を罵倒する内容の書き込みをした。

 男性は今回の訴訟に先立ち、同年10月に通信会社を相手取り、大阪地裁に発信者情報の開示を求め提訴。一審は棄却したが、16年10月、大阪高裁の開示命令判決を受け、今年2月、被告を特定して損害賠償を求める訴訟を起こしていた。

 被告側は「なりすまし行為をしたことはない」と主張。
 しかし判決は、弁護士の問い合わせに被告の父親が「息子が投稿していた」と回答したことから、なりすましの投稿者は被告と認定した。

 その上で判決は、正当な目的なく顔写真を使い、男性が他者を根拠なく侮辱、罵倒して掲示板の場を乱す人間であるとの誤解を与えるような投稿をしたと指摘。男性の肖像権、名誉権を侵害したと結論づけた。

nakazawa 原告代理人の中沢佑一弁護士は「権利が侵害されても、発信者の特定には裁判をしなければならず、被害者が大きな負担を強いられているのが現状だ」と話した。
(大貫聡子
 8/30(水)


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