◇岸田文雄、麻生太郎両氏が会談 総裁選の対応協議か

kisida 自民党の岸田文雄政調会長と麻生太郎副総理兼財務相が15日夜、都内の日本料理店で会談した。
 9月の自民党総裁選の情勢などについて意見交換したとみられる。
 関係者によると、会合は岸田氏が持ちかけた。「ポスト安倍」と目される岸田氏は、次期総裁選への対応について明言を避けているが、会談後、周囲に「いろいろアドバイスをもらった」と語った。

 麻生氏は昨年、自ら会長を務める麻生派(旧為公会)と岸田派(宏池会)などが合流する「大宏池会」構想を提唱したが、岸田氏率いる岸田派は拒んだ。両氏の会談は、総裁選を控え、派閥の合従連衡で生じた関係を修復する狙いもありそうだ。

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 ◇野田氏、支持は低調、石破茂氏との「対安倍」候補一本化拒否も推薦人いまだ見当たらず 

noda 野田聖子総務相が9月の自民党総裁選に向けギアを入れ始めた。
 16日の講演で石破茂元幹事長が出馬した場合でも安倍晋三首相(党総裁)に対する候補一本化に応じないと明言した。

 主要政策を温める野田氏は前回の平成27年で20人の推薦人さえ確保できなかった。今も続く党内の冷たい視線をはねのけ、どう仲間を集めるかが焦点となる。

「候補者に女性がいて当たり前という環境整備をしたい」
 野田氏は講演でこう訴え、総裁選への意欲を重ねて示した。首相になった場合を想定し、毎年「組閣名簿」を作成しているとも語り、女性初のトップを目指す姿勢を鮮明にした。

 3選を目指して出馬が確実な安倍首相は15日、訪問先のブルガリアで閣僚である野田氏の出馬を容認する考えを示した。
 野田氏も16日の記者会見で「しっかり総裁選を進めていこうという決意の表れだ」と歓迎し、戦意は高揚している。

 野田氏が主要政策として練るのは少子高齢化に伴う人口減少、2040年の社会への対応、女性活躍の推進の3本柱だ。「2040年」は重度の障害を抱える7歳の長男が30歳近くになる年で、少子高齢化が進んだそのときの日本を想定し「息子らの負荷を取り除く」政策を準備する。

 野田氏は推薦人確保にも強気の発言を続ける。
 4日放送のBS番組で「前回と比較すれば(自信は)150%くらいある」と断言した。
 番組収録は3日で、周囲は「『150%』は早すぎる」と懸念を伝えたが、野田氏は「そのまま放送していい」と押し切った。

 党内では「石破氏との一騎打ちによる反安倍勢力の結集を恐れた官邸筋が野田氏への推薦人提供を検討している」との臆測も流れる。
 ただ、主要派閥が推す方針の安倍首相や石破派(20人)を率いる石破氏に対し、無派閥の野田氏支持を明言した議員は一人も見当たらない。

 安倍総裁3選支持を公言する二階俊博幹事長は16日の記者会見で「あえて出るだけではしようがない」と牽制した。「150%」の真偽が分かったとき、総裁選の盛り上がり具合も決まる。(笠原健)
産経ニュース 2018.1.16

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