■正式名称:大和田町スーパー事務所内けん銃使用強盗殺人事件
 1995年7月30日(木)、東京都八王子市大和田町4-26-1で閉店後にスーパーマーケットの女性スタッフ3人が殺害された事件。
 そのうち2人は当時17歳と16歳のアルバイトの女子高生。

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【重要参考人に急浮上したA】
・指紋がほぼ一致している日本人A
「10年程前に死亡した日本人の男Aの指紋と、犯人と思われる指紋がほぼ一致していたことがわかった」と2015年2月にメディアが報じる。
 
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 捜査機関は2015年近くになって、特殊な液体を使ってガムテープの粘着面から犯人のものと思われる指紋の一部を採取することに成功。
 警視庁が1,000万人以上の指紋データベースと照合したところ、8点の特徴点の一致を確認。 

・Aは元運送業関係者で2015年時点から約10年前に60代で病死しているが、事件当時は50代で東京の多摩地域に住んでいた。

・事件の数年後、Aは事件現場で目撃された車と同じ白い車を持っていた数千人のうちの1人として、参考人として事情聴取されている。

・指紋記録は前歴者らの指紋を集めたデータベースに残っていたもので、この指紋は男が死亡する12年前に盆栽窃盗容疑の際に採取されたもの。

・当時の勤務先の記録から、事件が起きた時間帯に別の場所にいたとされてアリバイが成立する可能性が高いことや、親族から採取したDNA型の鑑定などから、実行犯ではないとの見方も強まっており、男が触れたガムテープを周辺の人物が使用した可能性などについても慎重に調べている。

     *  *  *

何亮(カ・リョウ)

【重要参考人B】
・カナダ在住、福建省出身の中国人、何亮(カ・リョウ)
 Bは1994年に日本で不法滞在で摘発され強制送還されたが、事件発生前の1995年、中国人強盗グループのメンバーとして日本に密入国。

・2002年4月、難民としてカナダに移住し、その後カナダの永住権を取得。
 トロントの食料品店に勤務し、妻子とともに暮らしていた。

・Bは日本を出る時に日本人男性名義のパスポートを不正使用していたとされている。

・Bのグループとは別の日中混成窃盗団のメンバーが別件で逮捕された際に、「(自分は)八王子事件の前に、現金保管状況などスーパーの内部情報を別の中国人に流した」と証言。

・日本政府はパスポートを不正使用した旅券法違反容疑で逮捕状を取り、カナダ政府に引き渡しを要求。
 カナダの管轄裁判所は身柄引き渡しに応じる決定を下し、2013年11月にBの身柄が移送され、逮捕。

・2013年12月5日に旅券法違反で起訴されたものの、八王子事件に関する供述が得られないまま、2014年9月18日に懲役2年・執行猶予5年の有罪判決が下され、翌9月19日にカナダに強制送還された。

※Bに関しては、日本に引き渡す代わりに「旅券法違反容疑以外で男を拘束したり、起訴して裁判にかけたりしない」、「日本での刑事手続終了後に中国に引き渡さない」などと確約したことが報道されている。

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※ナンペイ大和田店は、事件後「ひまわり」に改名したが、1998年に閉店。
 建物は解体され、現在は駐車場になっている。

②に続く
 
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