◇「余命」読者全員に全額賠償(33万円)命令下る 「損害を個別に認める」

 懲戒請求で「余命」読者6人に各33万円の支払い命令

 ブログ「余命三年時事日記」を発端とした不当な懲戒請求をされたとして、嶋崎量弁護士が懲戒請求者らを訴えていた裁判の判決が4月11日、横浜地裁であった。石橋俊一裁判長は懲戒請求者6人に対し、請求満額となる各33万円の支払いを命じた。

 嶋崎弁護士は「余命」読者らから、テンプレートを利用した958件の懲戒請求をされ、東京地検に刑事告発もされていた。嶋崎弁護士は、懲戒請求した全員の提訴を表明しており、判決は今回が初めて。

 現在90人を相手に同様の訴訟が進行しているといい、今後も和解の申し出がない懲戒請求者の提訴を続けるという。

 なお、この懲戒請求については、嶋崎弁護士が所属する神奈川県弁護士会の綱紀委員会で「懲戒すべきでないことが一見して明らか」と判断されている。

 判決は、今回の懲戒請求について「事実上及び法律上の根拠を欠く」と指摘し、「違法な懲戒請求」だと認定。刑事告発をともなう単なる嫌がらせを超えた行為であることなどから、「相当の恐怖を覚えることは無理からぬ面がある」と判断している。

 また、弁護士は、利益相反が生じうる案件の受任が禁止・制限されていることから、懲戒請求を1件ずつ同僚弁護士らが受任する事件と突き合わせ、利益相反の有無を確認する負担が生じているとも指摘した。 

※不当懲戒請求裁判では二例目の判決
 本日、横浜地裁で開かれた原告・嶋﨑量[平成31年(ワ)364]の判決は、昨年の原告・金竜介[平成30年(ワ)26108](浅香裁判長)に続き、二例目となります。

嶋﨑量1 判決

 嶋﨑量弁護士に対する懲戒請求の理由は、佐々木亮弁護士@ssk_ryoへの不当懲戒請求に対し、「何で懲戒請求されてるのか、ほんと謎です。酷い話だ」と同情の意見ツイートをしたことが、「共謀による脅迫罪」になるという、およそ懲戒理由とはなり得ないものでした。

懲戒請求の理由とされたツイート 
嶋崎量

 原告代理人の一人、佐々木亮弁護士は、判決に対して「丁寧な判断が行き届いた判決である。懲戒請求をした他の人にも判決文をぜひ読んでもらいたい」とツイートしており、同北周士弁護士も「事実関係等を適切に判断してくれている」と評価していますが、強度の洗脳状態にあるといわれる被告たちがどの程度理解して受け入れることができるのか、今後の動向を見守る必要がありそうです。

佐々木亮

北周士

※当判決に先立ち、金竜介弁護士に対し「確信的犯罪行為を行った」「在日コリアンである」などを理由として懲戒請求を行った40代男性に、「名誉を毀損する行為。人種差別であり、悪質性は顕著」として、2018年10月23日に33万円の賠償命令が下されています。

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