千雪

 青森県が開発したリンゴの品種「千雪」とみられる苗木が許可なく中国のネット通販サイトで販売されていることが2日、同県への取材で分かった。県は不正に流出した疑いがあるとみて調査。千雪と確認されれば販売停止の手続きを取る。国には調査や販売差し止めへの協力を求めた。

 ◇農水省、海外流出対策で検討会初会合

 同県によると、千雪は県産業技術センターが開発し、2015年に中国でも品種登録した。同センターの許可なく中国国内で販売や栽培することは禁止されている。今年3月に県内の関係者から情報提供があり、中国で複数業者が千雪の苗木を無許可販売している疑いが明らかになった。

 千雪は酸味が少なく甘みが強いことが特徴。
共同通信 7/2(火)

青森のりんご

 ◇農水省、品種保護で種苗法改正へ

海外流出対策で検討会初会合
 農林水産省は27日、国内で開発された農産物の新品種の海外流出が問題になっていることを受けて、保護の強化策を議論する検討会の初会合を開いた。委員からは新品種の保護制度を改善するため種苗法の改正を検討すべきだとの意見が出た。農水省は議論を踏まえて法改正の作業に入る見通し。

 検討会は農業団体や品種育成者、大学教授らで構成。知的財産権に詳しい伊原友己弁護士は「品種育成者の権利の及ぶ範囲がぼやっとしている」と指摘し、訴訟を起こす妨げとなっている点を検証すべきだと訴えた。

 品種育成に携わる委員は、品種開発を促すには適切な対価が支払われる仕組みが重要だと強調した。
共同通信 2019/3/27

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 →「レッドパール」「章姫」などを無断持ち出し、「雪香(ソルヒャン)」「梅香(メヒャン)」「錦香(クムヒャン)」という品種を開発。アジア各国への輸出も日本を上回る。