※「本来、人として赦されざる度重なる裏切りを赦せるというなら、それは政治というより宗教の領域ではないか。冷静沈着な判断力を欠いたまま、《国会議員としてあってはならない過ち》をも詭弁を弄して擁護し、ひたすら妄信・盲信するだけの“信者”と議論が噛み合わないのは当然である」
水間条項ブログより(抜粋、要約:筆者)

iminnkokka

 某国会議員の支持者(の一部)の方々がその議員に対し批判的な人を「敵」と見做して集団で攻撃を加える姿をみて、2年前に保守系の某チャンネル周辺で起きた事件を思い出しました。

 チャンネル代表者の熱心な取り巻きのグループが、ただ気に入らないという理由だけで、一人の主婦ブロガーを何の根拠もなく「朝鮮人」「カルト宗教信者」「実は男」などと決めつけ、法的措置云々の恫喝紛いの発言も含め、執拗に攻撃した事件です。

 過度の“信仰心”によって常識の目を曇らされ、物事の善悪の区別もつかなくなるという、一種の錯乱状態に陥った狂信者が、宗教の名のもとに異常な行動をとったり、自他を傷つけたり、殺めたりする事件に発展した例も多々あります。

 筆者は神奈川県(とくに川崎市)の犯罪史に興味をもって調べていますが、最近見つけた中に、「お詫び殺人事件」というものがあります。とかく噂のある某新興宗教に入会していた夫婦が、「お詫び」の儀式によって死亡した事件です。

 熱心な信者である妻が、「夫が寝たきりなのは、不信仰(退会)が原因だ」と思い詰めた挙句、病気の夫に再入会を誓わせるために教団本部に赴かせた翌日、夫は遺体となって帰ってきました。

 遺体を引き取りに行った親類が、遺体が全身痣だらけであることを不審に思い、すぐに警察に通報したことで事件が発覚。
 令状による強制解剖で殴る蹴るなどの激しい暴行を受けたことが判明したため、病死ではなく「傷害致死」となって、教団の副教祖と二人の幹部が逮捕されています。

 ゼロ年代以降、「ネットカルト」という言葉を目にすることも多くなりました。
 このようなカルト、疑似カルトの信者が狂信者になっていく過程で不可欠な要素として、《教祖の予言》《現世利益》が挙げられますが、「○○様の言ってた通りになった」「○○様はモーゼの再来だ」「○○様が□□したらガンが消えた!」「霊が○○様を頼って伝言を頼んできた」「○○様は、なついてきた霊と一緒に暮らしている」などと、真顔で言い始めた人を見かけたら要警戒です。

握手

 冷静な判断力を持ち、且つ心が健康な人なら、これらは巧みにヒステリー状態に誘導されているがゆえに起こる錯覚、妄想の類であり、オカルトのジャンルの話なのだと分かりますが、自分の信じたいように信じ、かつ現生利益に縋り付きたがる人というのは、罪悪感も危機感も抱かず、何のためらいもなくそちらの世界に引き込まれてしまいます。

 この心理を悪用し、自分の手は汚さずに狂信者(ある種の病人)を利用して遠隔操作で犯罪を行わせるなどというのは、推理小説の中だけでなく、現実にも十分起こり得る話です。

※タイトルはカーター・ディクスン(ディクスン・カーの別PN)『読者よ欺かるるなかれ』より