※朴槿恵氏を追及、失脚させるために検事総長に尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏を起用し、とりあえずの目的を果たして朴大統領の後任に収まった文在寅氏。
 政権を奪取した途端、“功労者”の尹錫悦氏の排除・検察の粛正をはかり、自身の長期政権と司法掌握を目論んで曺国法相の任命を強行しましたが、検察と世論の猛反発に遭い、独裁政権推進に不可欠とされた《検察改革》もどうやら不発に終わってしまいそうな気配です。

 曺国氏は法相を辞任した翌日にソウル大学大学院の教授に速攻で復職、さすが二重人格の江南左派と言われるだけあって、根回しの巧みさ、変わり身の速さでは文在寅氏の上を行っているようですが、疑惑の中心人物といわれる曺国氏の妻逮捕となれば、曺国氏および曺一家の疑惑捜査も本格化すると思われます。 *

チョン・ギョンシム チョ・グク
疑惑のタマネギ夫妻

 ◇韓国検察が曺国氏妻の逮捕状請求

 【ソウル共同】韓国検察は21日、私募ファンドへの不透明な投資疑惑などが持たれている曺国前法相の妻、情景芯(チョン・ギョンシム)韓国東洋大教授の逮捕状を請求した。

 一方、曺国氏が進める検察改革を支持する市民は12日、検察庁舎近くで「ろうそく集会」を開催し「チョ・グク法相を守ることが検察改革につながる!」などと訴えた。
共同通信 2019年10月21日

文在寅 尹錫悦
「厳正を欠き、一貫性もない検察」の支配権をめぐる泥沼の策謀

 ◇曺国氏辞任で任命責任追及へ 朴槿恵待望論も?

 曺国自氏辞任を巡る政治判断で最も影響があったと考えられるのは世論調査の結果。中でも、最大野党の自由韓国党の支持率が上がって与野党の支持率が拮抗してきたことが大きい。

 文政権を支持していた中間層が、いよいよ野党保守勢力に流れ始めたもよう。
 現在、韓国の政局は来年4月の総選挙をどう戦うかを中心に動いているが、世論の変化に各陣営も敏感になり、朴槿恵氏の保釈&待望論も持ち上がるなど、国民感情も複雑化し、混迷を極めている。
文春ONLINE 2019年10月14日

朴槿恵 曺国

 ◇曺国氏の支持者らが集会、「検察改革が実現するまで続ける」

 歩行者天国となった車道に設けられたステージの大型スクリーンには、曺国氏や文在寅大統領の画像が映され、登壇した大学生の女性は「検察改革が実現するまで集会を続けよう」と訴えた。
共同通信 2019/10/12 

チョ・グク氏妻逮捕報道 チョ氏支持者らが集会

 ◇文大統領の支持率40%に 曺国氏任命が影響

 【ソウル共同】世論調査会社「韓国ギャラップ」は20日、文在寅大統領の支持率が2017年5月の就任以降で最低となる40%に落ち込んだとの調査結果を発表した。不支持は53%だった。家族を巡る疑惑が検察の捜査対象となっている曺国法相を任命したことへの批判が影響した格好だ。

 曺国氏が法相にふさわしいとの回答は36%、ふさわしくないとの回答は54%だった。世論調査会社「リアルメーター」も19日、文氏の支持率が43.8%となり、同社の調査では最低になったとの結果を発表したばかり。
共同通信 2019/9/20

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