※なぜ危険を承知で本物に持ち替える必要があったんでしょうか。これが「罰金50万円の略式命令」程度で許されるなら、職権を利用して恫喝、訓練と称して故意にケガをさせたり退職に追い込むことも可能になりますね。相手が初任科生なら、なおさら教官には逆らえないでしょうから、パワハラということにもなります。

 仮に手もとが狂って刺してしまったとしても、さらにもう一度刺すというのはどういう状況なんでしょうか? しかも肺に達するほど深く刺したのなら何らかの意思がはたらいていると思われますが、県警監察課の「発表の対象となる事案ではないと判断した」というのも組織的な隠ぺいを疑わざるを得ない対応です。 *

新人景観をサバイバルナイフで2回刺す

 ◇模造の日本刀を持つはずの訓練で本物のサバイバルナイフを使用

 岡山県警察学校の教官の男性警部補が昨年12月、県警に昨春入り当時巡査だった男性の胸を訓練中にサバイバルナイフで誤って刺したとして、業務上過失傷害罪で罰金50万円の略式命令を受けていたことが17日、県警への取材で分かった。 
既に罰金は納付済みで、今年2月に所属長訓戒処分を受けた。男性は1月に依願退職した。 

 県警によると、訓練は模造の日本刀を持った犯人に対応するもの。 
 犯人役の警部補は、説得に応じて模造刀を捨てたが、その後に所持していたサバイバルナイフで胸を誤って2回刺した。 
1カ所は肺に達しており、男性は数日間入院した。 
共同通信 2019年7月17日

サバイバルナイフ
なぜ訓練の場に本物のサバイバルナイフを持ち込んだのか

 ◇警察学校教官 訓練に本物のサバイバルナイフで初任科生を刺す 岡山 

 去年、岡山県警察学校で、教官の警部補が犯人を取り押さえることを想定した訓練にサバイバルナイフを持ち込んだうえ新人の警察官を誤って刺して軽いけがをさせていたことが分かりました。 

 警部補は「訓練に緊張感を出そうと本物のサバイバルナイフを持ち込んだ」などと話していたということで、業務上過失傷害の罪で罰金の略式命令を受けました。 

 岡山県警察本部によりますと、去年12月、岡山市北区の県警察学校で、刃物を持った犯人を取り押さえることを想定した訓練に犯人役を務めることになった教官の男性警部補がサバイバルナイフを持ち込んだうえ新人の男性巡査の胸を誤って刺したということです。 
巡査は病院に運ばれましたが、けがの程度は軽かったということです。 

 訓練は模造品の日本刀を使うことになっていましたが、岡山県警に対して警部補は「訓練に緊張感を出そうと本物のサバイバルナイフを持ち込んだ。刺すつもりはなかったが、当たってしまった」などと話していたということです。 
 警部補は書類送検され、ことし4月、業務上過失傷害の罪で罰金50万円の略式命令を受けました。 
 岡山県警は警部補を所属長訓戒の処分にしましたが、「発表する対象の事案ではない」として公表していませんでした。 

 ◇刺された巡査は依願退職 損害賠償の訴え起こす 

 一方、刺された巡査はことし1月に依願退職し、先月、岡山県に550万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。 
訴えについて岡山県警は「訓練中にけがをしたのは事実で、誠実に対応していく方針です」としています。
岡山県警 訓練中にサバイバルナイフで新人警官を2回指す


 ◇警察学校教官がサバイバルナイフで初任科生刺す 簡裁が罰金命令 

 岡山県警察学校(岡山市北区玉柏)で昨年12月、刃物を持った犯人と対峙する実践訓練の際、犯人役をしていた教官の男性警部補が、昨春県警入りした初任科生の男性の胸を本物のサバイバルナイフで誤って刺してけがをさせたとして、業務上過失傷害罪で岡山簡裁から罰金50万円の略式命令を受けていたことが16日、関係者への取材で分かった。 
 罰金刑は既に確定。警部補は現在も県警に在籍し、初任科生は退職している。 

 関係者によると、訓練では模造の日本刀を持った警部補を初任科生が説得に当たった。 
 警部補は説得に応じる形で模造刀を捨てたが、その後に所持していたサバイバルナイフを持ち出した。 

 初任科生は岡山市内の病院に救急搬送され、数日間入院した。 
 警部補は「けがをさせるつもりはなかった」との趣旨の説明をしたという。 

 初任科生はその後、岡山西署に被害届を提出。岡山区検が3月に警部補を略式起訴し、岡山簡裁が4月に略式命令を出した。 
 警部補は今春の定期異動で県警本部内の部署に移っている。 

 県警はこの事実を公表していない。 
 県警監察課は「当事者については厳正に対処しているが、発表の対象となる事案ではないと判断した」としている。 
山陽新聞 2019年7月17日