殉愛
 2014年に亡くなったタレントやしきたかじんさんの闘病生活を記した書籍「殉愛」(百田尚樹氏著)で名誉を毀損(きそん)されたとして、たかじんさんの長女が損害賠償などを求めた訴訟で、出版元の幻冬舎(東京)に365万円の支払いを命じる判決が確定した。
 最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)が21日付で同社側の上告を受理しない決定をした。

 一、二審判決によると、14年11月に出版された同書は、たかじんさんの最晩年を、直前に結婚した妻との生活を中心に記述した。
時事ドットコム(2017/12/22)

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『殉愛』百田尚樹著

――内容紹介―― (amazonより)
 ミリオンセラー作家・百田尚樹の「殉愛ノンフィクション」、その疑惑とウソを徹底解明! 後妻・さくらは天使だったのか?

 2014年1月3日、“関西の視聴率王"やしきたかじん(享年64)が、2年にわたる闘病生活(食道ガン)の末にこの世を去った。
 それから約10カ月後の14年11月7日――全国のたかじんファンが眉 間にシワを寄せるような1冊の本が世に出た。たかじんとその三番目の妻・さくらの闘病生活を描いた『殉愛』(幻冬舎刊)だ。

 著者は、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのミリオンセラー作家・百田尚樹。
「かつてない純愛ノンフィクション」とうたわれた同書は、発売当日に「中居正広の金曜日のスマたちへ」(TBS系列)で2時間にわたる特番が組まれ、勢いに乗って32万部(編集部調べ)に達するベストセラーとなった。この『殉愛』に疑惑の眼差しが向けられている。

 “ノンフィクション"と大見得を切ったものの、事実からかけ離れた“創作"“嘘"が盛り込まれているからだ。1カ所や2カ所ではない。全編にわたって事実誤認が見られる、出版史上まれに見る“事故本"とさえいっていい。

 この物語――“ヒロイン"さくらを天使のごとき「聖人」に磨き上げるための物語――には、さくらを辛い目に遭わせる“悪役"が欠かせなかった。

 百田尚樹は、その“悪役"を、こともあろうにたかじんの実子である長女や親族、前妻、そしてたかじんの「ガン撲滅チーム」のメンバーとして2年にわたる闘病生活を支えたマネージャーのK氏、音楽プロデューサーのU氏に担わせたのだ。直接の取材がいっさいないままに――。

 本書は、およそ“ノンフィクション"とは呼べない『殉愛』を、あたかも“ノンフィクション"であるかのように書き、偽装し、販売し、そのいかがわしさに気づいている読者が大量に存在するのに、本格的な追及の動きがないことに苛いら立ったプロフェッショナルによって執筆・編集されている。

 中核となったのは「角岡伸彦」「西岡研介」の2人。いずれも関西出身の講談社ノンフィクション賞授賞作家である。
 そこに大手週刊誌の記者・編集者、テレビ・音楽業界関係者、法曹界関係者、ネット系ニュースサイト運営者が加わり、月刊誌『宝島』編集部が“管制塔"となって、業界横断的なネットワークを組んだ……百田さん、これが本物のノンフィクションやで!

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※この本は読んでないので具体的な内容はわかりませんが、長女や親族、前妻、たかじんさんのマネージャー側の主張が認められたということですね。