大和堆

 日本の排他的経済水域(EEZ)にある日本海の好漁場「大和堆」付近での北朝鮮漁船による違法操業問題で、海上保安庁が現場海域に複数の巡視船を投入し、本格的な監視警戒活動を開始したことが24日、分かった。
 6月のスルメイカ漁期に向けて水産庁の漁業取締船と連携、初動を重視して対応する。

 出発拠点となる新潟港(新潟市)には21日、第1管区海上保安本部(北海道小樽市)と8管(京都府舞鶴市)管内の大型・中型巡視船5隻の集結が確認された。

 現場海域では5隻程度が活動しているとみられ、これまで各巡視船で対応方針や手順を共有するなど準備を進めていた。

 昨年に続き2年目の取り締まりとなる今年は、日本漁船の自由な操業と安全の確保が課題となる。
 日本漁船は例年通り、6月上旬に大和堆に出漁するとみられるが、昨年は北朝鮮漁船から妨害を受けるなどして現場海域を離れざるを得なかった。

 今シーズンは、大和堆北西側で、EEZの基準となる北朝鮮との地理的中間線付近を取り締まりの最前線に設定。昨年と同様に退去警告をした上で放水を実施して排除に当たるとみられる。

 海保や水産庁は昨シーズン終了後も大和堆周辺の監視を継続。5月中に周辺海域で確認された北朝鮮漁船は数隻で退去警告して排除したという。
 水産庁は海保に先立って取り締まり態勢を強化、5月に入り漁業取締船の隻数を増やしている。
産経ニュース 2018.5.25

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北朝鮮の違法操業船