gongitune
[安城高等女学校で教えていたころの新美南吉=1938~42年頃]

 国民的童話で知られる「ごんぎつね」が小学校の国語の教科書に載って60周年を迎えた。
作者・新美南吉の出身地、愛知県半田市にある新美南吉記念館は7月から、南吉の作品が載った歴代の教科書を展示する特別展を開く。
「古い教科書をぜひ譲ってほしい」と一般にも広く提供を呼びかけている。

 「ごんぎつね」は1956(昭和31)年度の大日本図書の小4の教科書に初めて登場した。
 その後も、主に小4用に掲載され続け、80年度以降は小4の全部の教科書に載っている。

 「ごんぎつね」は、児童雑誌「赤い鳥」の32年1月号で「ごん狐」として発表された。
 その際、雑誌創刊者の鈴木三重吉が原文を手直ししたと考えられている。
 元々は、南吉が母校の半田第二尋常小学校(現・半田市立岩滑〈やなべ〉小学校)で代用教員をしていたころ、周囲の里山を舞台に、教え子たちに語って聞かせた物語と言われている。31年10月のノートには「権狐」として草稿がつづられていた。

gon
[「ごんぎつね」が載った歴代の教科書]

niimi
[「ごんぎつね」を書いたころの新美南吉=1931年]

朝日新聞デジタル
(2016年6月24日)