siki-ariyama■2012年6月26日午前4時頃
・埼玉県加須市中央1丁目15番地9
「有山金物店」の鉄骨2階建て店舗(約150㎡)及び隣接する住宅(約100㎡)の2棟が全焼。

 焼け跡からこの家に住む無職、有山春蔵さん(77)と妻の幸枝さん(76)が遺体で発見された。

yukie 有山さん夫妻には胸部に刺し傷があり、
長男康之さん(48)は、胸を複数回刺されたものの下着1枚の状態で2階から飛び降り、付近の住民の通報によりかけつけた消防隊に救助された。
 ※康之さんは心臓に達するほどの深い傷を負っており、喉に火傷もあったが一命を取りとめた。

【事件の概要】
 有山さん一家は、市の中心部の400坪の敷地に立つ豪邸で春蔵さん、幸枝さん、康之さんの3人で暮らしており、周辺の土地も所有していて地元では資産家として有名。

ariyama-aikagi・春蔵さんが病気を患ったため7年ほど前に金物店は閉店していた。
 事件前夜、夫妻は友人とともに長男の店で食事をして帰宅し、店舗に繋がる自宅一階の和室で就寝中に襲われたもよう。

 一緒に食事をした友人は、「何かに脅えるということもなく、普段通りだった」と語っている。

raimaru・長男康之さんは、店舗裏手で蕾丸という飲食店(居酒屋兼弁当店)を経営しており、店舗拡大のため会社登記を行ったばかりだった。

 事件当日は、午前1時~2時頃、居酒屋を閉めて帰宅。
 自宅1階で寝ている両親には声をかけず2階の自室へと向かう。
 就寝後しばらくたって隣室に人の気配を感じてふすまを開けたところ、黒マスクかタオルを顔に巻いた大柄な男が立っており、とっさに男の肩を掴んだが、押し問答の末胸を刺されて気絶。

 その後、火が燃えるパチパチという音に気がついて慌てて2階から飛び降り、自家用車のライトを点滅させて消防隊に合図を送り助けを求めた。
(以上、事件から約1週間後の康之さんの証言)


【凶器・証拠品・目撃証言など】
・傷口は包丁などによるものだが、有山さん宅のものとは合致していない。
・火災発生当時、すでに明るくなり始めていたが、犯人に直結するような目撃証言、物証なし。

◆近所の人が撮影した動画◆


<続報>
 2012年6月26日未明、埼玉県加須市中央の「有山金物店」の店舗と住宅が全焼し、この家に住む無職、有山春蔵さん(77)と妻の幸枝さん(76)が殺害された放火殺人事件で、胸を刺されて重傷を負った長男(48)が「室内に侵入した男に刃物で刺された」という趣旨の説明をしていることが7月5日、加須署捜査本部への取材で分かった。

 事件から1週間余りが経過したが、犯人に直結する目撃情報や物証はなく、一家3人が死傷した凶行をめぐる謎は深まっている。――

※2013年2月、警察の事情聴取後に長男康之さんが自殺。
 2015年4月1日現在、真相は解明されていない。